名シーン「怖くない・・」の中国語
「ナウシカ」の中で
印象的で好きな場面のうちのひとつに
ナウシカとテトとの出会いの場面があります。
怯えて威嚇するテトを
見事に手なずけるシーンです。
「手なずける」はちょっとやな言い方ですね。
テトの心をわしづかみにする場面、
の方がしっくりいくかもしれません。
テトを肩に乗せて
手を広げてクルクル回る場面は
ちょっとした憧れでもあり
飼い猫でやってみたことがありますが
猫がビビって爪を立てたので
痛い思いをしただけでした。
あの名場面のセリフの中国語吹き替えが
どのようになってるのか気になりますよね。
ユパとナウシカの一連のやり取りは
中国語ではこうなっていました。
ユパ: 别用手碰它
bié yòng shǒu pèng tā
手を出さん方がいい
它虽然小可是很凶暴的
tā suī rán xiǎo kě shì hěn xiōng bào de
チビでも凶暴だ
ナウシカ:过来这边,来
guò lái zhè biān lái
おいで、さあ
ユパ: 喂
wèi
おっ、おい!
ナウシカ:来,不要怕,不要害怕
lái bú yào pà bú yào hài pà
ほら怖くない、怖くない
乖,不怕喔,乖
guāi bú pà ō guāi
ほらね、怖くない、ね?
你只是吓坏了,对不对
nǐ zhǐ shì xià huài le duì bu duì
おびえていただけなんだよね
犹巴老师
yóu bā lǎo shī
ユパ様
可以把它送给我吗?
kě yǐ bǎ tā sòng gěi wǒ ma
この子私にくださいな
ユパ: 当然可以
dāng rán kě yǐ
ああ、かまわんが
ナウシカ:好棒,谢谢你
hǎo bàng xiè xiè nǐ
わぁ、ありがとう
ナウシカがただ者ではないとわかる場面です。
中国語吹き替えでも
ナウシカの「怖くない」のセリフの
優しくささやく声が
とてもいい感じに聞こえます。
最初のユパの「别用手碰它」のセリフですが
「碰」は「ぶつかる」「試しにやってみる」
「手出しする」という意味の動詞です。
「别」がついてるので
「手を出すな」という意味になります。
「它」は「テト」を指しています。
「それ」とか「あれ」とかですね。
動物なので「他」や「她」は使わないようです。
王蟲や虫たちのことを言うときも
「它」を使っています。
ナウシカの「过来这边」は
「こっちにおいで」ですね。
そのあとの「来」ですが
「来」は「来る」という動詞の使い方のほか
「さあ」のように、呼びかけて
何かを促すような使い方もあります。
そのあとナウシカの
「怖くない」が3回続きますが
中国語では全部言い方が違います。
「不要怕」
「不要害怕」
「不怕喔」
「不要」は「〜してはいけない」
「〜しないで」という禁止や不要を表します。
「怕」と「害怕」はどちらも
「怖がる」「おそれる」という意味の動詞で
意味に大きな違いはないようです。
「怖がらないで」
「怖がらないで」
「怖くないよ」
って感じかな?
3番目の「不怕喔(怖くない)」の前後に
「乖」という言葉があります。
「乖」は「聞き分けが良い」「賢い」
などの意味の形容詞ですが
赤ちゃんや幼児に対して
「いい子」とか「お利口さん」という
呼びかけの言葉としても使います。
セリフの「乖」の部分、
日本語では「ほらね」と「ね?」
の部分にあたりますが
「いい子、怖くないよ、いい子だね」とか
そんな感じになるのかな?
その次の「你只是吓坏了」のセリフですが
「只是」は「ただ〜だけ」という副詞、
「吓坏」は「びっくりする」「おびえる」
という意味の動詞です。
「ただびっくりしただけ」となります。
そのあとの「对不对」は日本語のセリフの
「だよね?」の部分に相当します。
「 可以把它送给我吗?」は
「この子私にくださいな」のセリフですが
「この子」が「它」なのが
ちょっと気になるというか違和感というか。。
日本語の感覚だと「それ」とか「あれ」って
物じゃないんだから!って思っちゃいます。
人間以外は「它」が普通みたいなので
そこはあまり気にしなくていいんでしょうね。
確かに日本語でも動物やペットに向かって
「彼」とか「彼女」とは言わないですが・・
「 可以〜吗?」は「〜してもいいですか?」
という意味で使います。
「送」は「届ける」「贈る」「あげる」
などの意味があり
「送给我」で「私にくれる」となります。
「この子私にくださいな」のセリフ
なんか好きです。
「くださいな」がなんだか上品で可愛い。
「もらってもいい?」とか
「私が飼いたい」とか
いくらでも言い方はありますが
ナウシカなら「くださいな」だよねーって思います。
このテトとの運命的な出会いの場面、
中国語バージョンでもぜひナウシカの
モノマネができるようになりたいです。
中国語吹き替えのナウシカの方がちょっと
大人びた声をしているように感じますが
それも含めて練習したいと思います。