ジブリで中国語を学ぼう!

ジブリ映画の中国語吹き替えを聴いて中国語を勉強しています。

「千と千尋」に出てくる成語⑥

千と千尋に出てくる成語の第6弾です。
第1弾〜第5弾についてはこちらです。
  ↓  ↓
千と千尋に出てくる成語
千と千尋に出てくる成語②
千と千尋に出てくる成語③
千と千尋に出てくる成語④
千と千尋に出てくる成語⑤

今回で成語シリーズは最後になります。
と、思います。
新たに見つかったりしなければ(汗)
たまに「あ、これも成語だったの?」
という新発見があったりするので
そんなことがあれば第7弾があるかもしれません。


今回は湯婆婆のセリフからです。
坊がいなくなったことに気づき、
ハクが「坊を連れ戻す代わりに千尋と両親を
元の世界に戻してあげて欲しい」と
湯婆婆に交換条件を申し出た後です。

没想过你自己会有什么下场吗?
méi xiǎng guo nǐ zì jǐ huì yǒu shén me xià chǎng ma  
それでおまえはどうなるんだい?

就算我把你四分五裂也无所谓吗?
jiù suàn wǒ bǎ nǐ sì fēn wǔ liè yě wú suǒ wèi ma   
その後私に八つ裂きにされてもいいんかい!

ハクの決死の申し出に
湯婆婆は完全な逆ギレ状態ですね。

成語は「四分五裂」です。
「四分五裂」は日本語で「しぶんごれつ」
という読み方をして使われます。
もちろん中国の成語から来た言葉で
意味も同じように使われます。
「秩序をなくしてバラバラになること」
「ちりぢりばらばらになること」
という意味があります。

「就算」は「たとえ〜であっても」
という意味の接続詞です。
「无所谓」は「意に介さない」
「どうでもよい」「どちらでも構わない」
という意味の動詞です。

直訳すると
「たとえ私があなたをバラバラに裂いても
構わないのですか」
というような感じになります。

ここで気になるのが、
この「四分五裂」という言葉
辞書や例文をいろいろ見ても
「バラバラになる」のは国とか組織とか、
そういうまとまったグループ的なものに
多く使われるようで
実際の物質的なものをバラバラにする時も
使うんでしょうか。
って、ちょっと思ったんです。

まさに「八つ裂きにする」という、
物をバラバラに裂くような日本語のセリフに
この「四分五裂」を当てているわけなので
ここではそういう使い方をされてるのですが
一般的にもそういう使われ方ってするのでしょうか?

いろいろ例文を探してみましたが
そういう使われ方は見当たらなかったので
そのあたりの真相はよく分かりません(汗)


ちなみにこの部分の字幕ではこうなっています。

让你四分五裂也无所谓吗?
ràng nǐ sì fēn wǔ liè yě wú suǒ wèi ma 

吹き替えよりもシンプルな文章ですね。
吹き替えの方は「把構文」ですが
字幕では使役になっています。

「あなたは八つ裂きにされても構わないのですか」という感じですね。
表現は違いますが、字幕も吹き替えも同じニュアンスになっています。


「四分五裂」という成語、
国とか政党とかについて語るのだと
難しい話になりそうですが
時代劇とかでそういうシチュエーションは
よくありそうですね。

「クラスがまとまりがない」とか
「家族がバラバラになる」とか
そういう感じだったらドラマとかでも
出てきそうです。

自分が使うことは、あまりなさそうかな?