ジブリで中国語を学ぼう!

ジブリ映画の中国語吹き替えを聴いて中国語を勉強しています。

可能補語の肯定形と状態補語

もう題名からしてなんだかやる気(読む気)
が失せるやつですね。
本当に、補語ってやってもやっても
新しいことが出てきて
終わりが見えてきません(汗)

前回、可能補語の否定形についてやりました。
 ↓ ↓ ↓ 
可能補語の否定形

「動詞」+「不」+「方向/結果補語」で
「〜できない」という意味になります。

今回の可能補語の肯定形は
「動詞」+「得」+「方向/結果保護」で
「〜できる」という意味になります。


まずは千尋のセリフです。
体が透明になってきて、ハクにこの世界のものを食べさせてもらった後です。

ハク:你在摸摸看
   nǐ zài mō mo kàn
   触ってごらん

千尋摸得到了
   mó de dào le
   さわれる・・・

「摸得到」の部分が可能補語になります。
「摸」は「触る」という意味の動詞です。
「到」は結果補語で
ここでは「目的を達成する」という意味で
使われています。
「摸到了」で「さわった(さわるという動作が達成された)」となり
可能補語の「得」を間に入れて
「摸得到了」で「さわれた」という意味になります。


次は銭婆のセリフです。
感動的な別れの場面です。

千尋婆婆,谢谢你,我走了
   pó po   xiè xie nǐ   wǒ zǒu le
   おばあちゃん、ありがとう、私行くね

銭婆:放心吧,你一定可以做得到
   fàng xīn ba   nǐ yī dìng kě yǐ zuò de dào
   大丈夫、あんたならやりとげるよ

「做得到」の部分です。
「做」は「やる」「行う」などの意味の動詞で
「到」は先ほどと同じ結果補語ですね。
「做得到」で「やり遂げる」という意味になります。


可能補語の肯定形は否定形と比べて
使われる機会が少ないようです。
「〜できる」と表現する場合は
「能」を使うのが一般的なようです。

千と千尋」のセリフの中でも
上記のふたつしか出てきませんでした。
どちらも結果補語の可能の表現だったので
方向補語のバージョンはなかったことになります。


この可能補語の肯定形と非常に似た表現で
「状態補語」というのがあります。
(「様態補語」と言う場合もあります)

状態補語については
いろいろとマニアックな説明があるのですが
細かいことは今回ははしょらせていただき
簡単に言うと動詞の後ろに「得」を置いて
その後ろに状態を表す言葉を置いて
動作を具体的に説明する用法のことです。

「動詞」+「得」+「補語」の形を取り
この「補語」の部分には形容詞などが入ります。

ちょっと分かりにくいので
千と千尋」のセリフを例にしたいと思います。

オクサレ様が帰ったあと
湯婆婆が千尋を褒めるセリフです。

小千,做得好
xiǎo qiān   zuò de hǎo
千、よくやったね

赚了一大票
zhuàn le yī dà piào
大もうけだよ

「做得好」の部分です。
「做」は「やる」という動詞で
その後ろに「得」がきて
「好」という状態を補足しています。
「好」は「上手に」という意味の形容詞で
「うまくやった」「よくやった」という意味になります

ここで「おや?」と思いませんか?
「做得好」は「動詞」+「得」+「結果補語」の可能補語の形をとってるようにも見えます。

「好」は「〜し終わる」という
完了を表す結果補語で
その動作がきちんと行われたことを表します。
「做好」で「やり終わった」という意味になり
「做得好」で「やり終える事ができた」
というニュアンスにも取れます。

実際は「做得好」で
「よくやった」という意味のフレーズとして
よく使われるようなので
この場合は区別しやすいのですが
違う動詞や補語だった時には
「可能補語」と「様態補語」の区別を
きちんと見極めないといけませんね。


もうひとつ、状態補語です。
銭婆のセリフです。
銭婆の家で、ネズミが糸車を回してる場面です。

哈哈哈,再加油,再加油
hā hā hā   zài jiā yóu   zài jiā yóu
ハハハハ・・ほれがんばって

对,对,做得很好
duì   duì   zuò de hěn hǎo
そうそう、うまいじゃないか

「做得很好」の部分です。
先程の「做得好」に
程度を表す副詞の「很」が加わったものです。
補語の部分が「副詞+形容詞」となっています。
「很」は「とても」という意味があるので
「やるのがとても上手」または
「とても上手にやった」となります。
「很」は特に意味を持たないこともあるので
「とても」ということを強調したい場合は
「非常」を使ったほうがいいかもしれません。


「得」は「可能補語」と「状態補語」の
両方で使われるということを
ちゃんと覚えておこうと思います。