ジブリで中国語を学ぼう!

ジブリ映画の中国語吹き替えを聴いて中国語を勉強しています。

「定め」について語るユパ様とユパの「定め」を語るババ様

風の谷のナウシカ」は
「いい伝え」とか「定め」とか
そういったことが時々話題に出ます。

「定め」って、
あまり普段は使わない言葉ですが
中国語吹き替えでは
どのように訳されていたか、
セリフとともに紹介したいと思います。


まずはユパ様が風の谷に到着して、
夜にジルの部屋での団らんの場面です。
ジルが「そろそろこの谷に腰をすえぬか」
とユパ様に提案した後です。

大ババ:别说了
    bié shuō le
    ムダじゃよ

    犹巴这个男人命中注定
    yóu bā zhè ge nán rén mìng zhòng zhù dìng
    ユパは探し続けるよう

    要不断的追寻呀
    yào bú duàn de zhuī xún ya
    定められた男じゃ

ユパ:命中注定啊
   mìng zhòng zhù dìng a
   定めか

最初の「别说了」は
「ムダじゃよ」なんですね。
「别〜」は「〜するな」という
禁止を表しますが
「别〜了」だと
すでにしてしまったことについて
「もう〜しないで」とか
「これ以上〜しないで」
といったニュアンスになるようです。

「别说了」で「もう言わないで」から
「それ以上言っても意味ないよ」
っていうニュアンスを読み取り
「ムダじゃよ」ってなるのかな?
なんだかこういう翻訳、いいですね。

ちなみに字幕の方はこうなっています。

他不可能答应的
tā bù kě néng dā ying de

「不可能」は「〜できない」という意味で
「答应」は「同意する」「約束する」
という意味の動詞です。
「彼は同意できないよ」となります。

こっちの方は正攻法って感じですね。
なんとなく「别说了」の方が好きです。

その後のセリフに
「命中注定」という言葉が出てきます。
「命」は「命(いのち)」という意味のほかに「運命」という意味でも使います。
「注定」は「定める」「運命づける」
などの意味の動詞で
「命中注定」で
「運命づけられている」「定められている」
という意味の言葉になります。

「命中注定」は成語のようですね。
私の辞書には「成語」と表記されていませんが
「すべての出会いは運命であらかじめ定められていて、人の力ではどうにも変えられない」
といったような意味があるようです。

「这是命中注定的」で
「これが定めだ」というように使ったり
「命中注定的人」で「運命の人」
という使い方をしたりもできます。


そのあとのユパ様が語るセリフです。

究竟我们人类是不是注定
jiū jìng wǒ men rén lèi shì bu shì zhù dìng
我々人間はこのまま

就这样被腐海吞没而灭亡?
jiù zhè yàng bèi fǔ hǎi tūn mò ér miè wáng
腐海にのまれて滅びるよう定められた種族なのか 

「究竟」は「結局のところ」「つまりは」
という意味の副詞です。
ここでも「注定」が出てきました。
「定められている」という意味です。
「注定」以下にどのように定められてるのか
説明していますね。
「このように腐海にのまれて滅びる」

「是不是」で「〜ですか?」「〜なのか?」
という疑問を表しますが
強調や確認の意味も込められています。

全体としては
「結局のところ私たち人間はこのように
腐海にのまれて滅びる定めなのか」となります。
なんかかっこいいセリフですね。

この定めの内容の部分をアレンジして
何かそれっぽいセリフを入れて
定めについて語ってみるのも
いいかもしれません。

「結局私は彼と結ばれない運命なのかしら」
とか。

運命とか定めとかの意味で
「命运 mìng yùn 」という言葉もあります。
こちらは名詞なので
また使い方が違うかもしれません。

「運命」とかって
あまり日常で使う言葉ではありませんが
ドラマや小説では「運命の出会い」とかの
表現がよくありますよね。
今度そういうセリフを見つけたら
どのような表現をしているのかチェックしてみるとおもしろいかもしれません。