ジブリで中国語を学ぼう!

ジブリ映画の中国語吹き替えを聴いて中国語を勉強しています。

「たとえ〜だとしても」という表現

中国語で「就算」という言葉があります。
「たとえ〜でも」「もし〜だとしても」
という意味の接続詞になります。
仮定の表現に似ていますが、
「もし〜なら」という仮定とは
ちょっとニュアンスが変わって
譲歩の意味合いが含まれてきます。


千と千尋」のセリフでも使われていました。
まずは千尋湯屋で働くことになった時の
場面です。

父役:就算这是汤婆婆下的指示
 jiù suàn zhè shì tāng pó po xià de zhǐ shì
 いくら湯婆婆のおっしゃりでもそれは・・・

兄役:用人类不太好吧
   yòng rén lèi bú tài hǎo ba 
   人間は困ります

みんなに臭い臭い言われる場面ですね。
「就算」以下を直訳すると
「これは湯婆婆が出した指示です」となるので
「就算」がついて
「たとえこれが湯婆婆が出した指示だとしても」というニュアンスに変わります。


次は湯婆婆のセリフです。
坊が銭婆のところにいるとハクから聞いて
激怒する場面です。

没想过你自己会有什么下场吗?
méi xiǎng GUI nǐ zì jǐ huì yǒu shén me xià chǎng ma   
それでお前はどうなるんだい?

就算我把你四分五裂也无所谓吗?
jiù suàn wǒ bǎ nǐ sì fēn wǔ liè yě wú suǒ wèi ma  
その後私に八つ裂きにされてもいいんかい!

「就算」の文は「把」構文になります。
「四分五裂」は成語で
「ばらばらになる」とう意味で
「无所谓」は「意に介さない」
「どちらでも構わない」という意味になります。
「也」は「〜でも」「〜も」という副詞で
「就算」と呼応して一緒に用いることが多いです。

「たとえ私があなたをバラバラにしても構わないのですか」という意味になります。


吹き替えのセリフの中で
「就算」が使われていたのは
このふたつのセリフだけですが
字幕の方では他にも使われていました。

ハクが千尋に釜爺のところへ行くように
話す場面です。

你拜托他让你在那里工作
nǐ bài tuō tā ràng nǐ zài nà li gōng zuò
その人にここで働きたいと頼むんだ

就算被拒绝也要黏着他
jiù suàn bèi jù jué yě yào nián zhuó tā
断られても、粘るんだよ

ここでも「就算」とあわせて
「也」が使われています。
「黏着」は「粘りつく」という意味の動詞です。
「たとえ彼に拒絶されたとしても、
粘らなければならない」
となります。

この部分の吹き替えはこうなっています。

他要是拒绝的话你就求他
tā yào shi jù jué de huà nǐ jiù qiú tā

「要是〜的话」で「もし〜なら」という仮定を表します。
「もし彼に拒絶されたなら」となります。
意味に大きな違いはないですが、
ちょっとニュアンスが変わりますね。


この「たとえ〜だとしても」という
譲歩を含む仮定の表現では
「就算」意外にも
「即使」「就是」という言葉が使われます。
どれも同じような意味で使われますが
「就算」と「就是」はどちらかというと
話し言葉で多く使われ
「即使」はどちらかというと
書き言葉で多く使われる傾向にあるようです。