ジブリで中国語を学ぼう!

ジブリ映画の中国語吹き替えを聴いて中国語を勉強しています。

「为了」の使い方

中国語で
「〜のために」という時に使う言葉として
「为了」という前置詞があります。

「为了〜、主語+動詞フレーズ」
または「主語+動詞フレーズ+为了〜」で
「〜のために、だれだれがなになにをした」
のような感じで使われたり、
「〜是为了〜」で
「〜は(〜するのは)〜するためだ」
というような表現もできます。

ここでちょっとややこしいのが
「因为」の表現と
ごっちゃになりやすいということです。
「因为〜」も「〜のために」
というようなニュアンスで使いますが
「因为」は原因や理由を表すのに対し、
「为了」は目的や動機を表します。

「因为」についてはこちらを参考にどうぞ
 ↓ ↓ ↓
「因为」を使って理由を述べる


千と千尋」のセリフの中で
「为了」はどのように使われていたでしょうか。

まずは銭婆のセリフです。
ハクのことを「愚かだ」と言って
その愚かさを語る場面です。

为了学魔法当我妹妹的手下
wèi le xué mó fǎ dāng wǒ mèi mei de shǒu xià
魔法の力を手に入れようとして妹の弟子になるなんてね

真可怜啊
zhēn kě lián a

「为了」にかかる部分は「学魔法」ですね。
「为了学魔法」で「魔法を学ぶために」です。
それに続く文章は
主語の「白龙(他)」が省略されて
「(彼は)私の妹の弟子になって、
本当にかわいそう」となります。
「かわいそう」の部分は日本語にはないですね。


次はハクのセリフです。
橋で千尋の存在がばれて大騒ぎになり
千尋がハクに「行かないで」と頼んだ後、
ハクが千尋を言い聞かせるセリフです。

想要在这里生存下去
xiǎng yào zài zhè li shēng cún xià qu
この世界で生き延びるためには

你只有这一条路
nǐ zhǐ yǒu zhè yī tiáo lù
そうするしかないんだ

这也是为了救你的爸妈 
zhè yě shì wèi le jiù nǐ de bà mā
ご両親を助けるためにも

最後の一文です。
「这也」は「これも」
「是为了」で「〜するためだ」で
「〜」の部分は「救你的爸妈 」になるので
「これもあなたのお父さんとお母さんを助けるためです」となります。


次は銭婆の家にて
あの変な虫を踏み潰した話を
千尋がした後の銭婆のセリフです。

踩死了?
cǎi sǐ le
踏みつぶした!

那只虫是她特别摆到龙肚子里
nà zhī chóng shì tā tè bié bǎi dào lóng dù zǐ lǐ
あんたその虫はね、妹が弟子を操るために

为了要控制白龙的行动的
wèi le yào kòng zhì bái lóng de xíng dòng de
竜の腹に忍びこませた虫だよ

長い文章なのでややこしいです。
文全体を見ると「那只虫是〜的」で「あの虫は〜なのだ」という構造になっています。
「是〜的」は「〜」の部分を強調する言い方で
「〜」の部分には方法や目的、時間、場所など様々な言葉が入ります。

「〜」の長い部分について、
前半の「她特别摆到龙肚子里」は
「彼女は竜のおなかの中にわざわざ配置した」となります。
後半の「为了」にかかる部分は
「要控制白龙的行动」となり
「ハクの行動を操るために」
という意味になります。
全体として
「あの虫は、ハクを操るためにおなかの中に
わざわざ配置した虫なのだ」となります。


最後はハクのセリフです。
千尋が竜の背に乗って
ハクがいろいろと思い出したシーンです。

我也想起来了
wǒ yě xiǎng qǐ lai le
私も思い出した

那一天荻野千寻掉到琥珀川里的时候
nà yī tiān dí yě qiān xún diào dào hǔ pò chuān lǐ de shí hou
ちひろが私の中に落ちた時のことを

是为了想要捡掉下来的鞋子
shì wèi le xiǎng yào jiǎn diào xià lai de xié zi
くつを拾おうとしたんだよ

「是为了」は「〜のためだ」で
以下の「想要捡掉下来的鞋子」
のことを言っています。
「落ちた靴を拾おうと思ったためだ」
ってことですね。


セリフの中の「为了」は
「魔法を学ぶため」
「父母を助けるため」
「操るため」
「靴を拾うため」
と、どれも目的や動機を表しています。

今回出てきたセリフは
どれも「为了」以下が
動詞フレーズになっていましたが
「为了」に続く言葉は名詞で使われることもあります。

为了你 wèi le nǐ あなたのために
为了健康 wèi le jiàn kāng  健康のために

遊ぶためにお金が欲しいとか
癒しのために猫と遊びたいとか
ちょっとしたつぶやきにも使えそうですね。