ジブリで中国語を学ぼう!

ジブリ映画の中国語吹き替えを聴いて中国語を勉強しています。

「丫头」という言葉

ナウシカ」の中で
たびたび出てきて気になっていた言葉があります。

「丫头 yā tou」という言葉です。
最初に字幕で見た時は
「丫」がアルファベットの「Y」だと思ったので
「なんでいきなり英語!?」とびっくりしました。

「丫」はちゃんと辞書にも載っていました。
「枝分かれしてしているもの」
を表す言葉のようです。

「丫头」で
「女の子」という意味があるそうです。
女性が髪の毛を左右に分けて
頭の上で結ったことに由来するようです。
この言葉自体は侮辱するような意味合いはなく
どちらかというと親しみを込めて使う言葉のようです。


ナウシカ」のセリフの中では
どのように使われていたのでしょうか。

まずはナウシカの父のジルのセリフです。
ユパが風の谷に来て、
ジルの部屋での団らんの時です。

真的啊
zhēn de a
ハハハハ

小丫头救了你一命啊
xiǎo yā tou jiù le nǐ yī mìng a
負うた子に助けられたか

まず日本語の「負うた子」の意味が
分かりません(汗)
ことわざで
「負うた子に教えられて浅瀬を渡る」
という言葉があり
「熟達した者であっても、
時には自分より経験の浅い者や年下の者に、
物事を教わることもある」という意味らしい。
ということは、
「負うた子」は「自分よりも未熟な者」
という意味を表すのですね。

「丫头」に「小」がついて
「小丫头」となっています。
「小さい女の子」「小娘」のような
ニュアンスになります。


次はクロトワのセリフです。
トルメキア軍が城を攻めてジルを殺したため
ナウシカが怒りに我を忘れて
トルメキア兵たちをやっつけた後に
クロトワがつぶやいた言葉です。

可恶,臭丫头
kě wù  chòu yā tou
えーい、くそっ、小娘が

「臭」は「くさい」の意味のほか
「嫌味だ」「嫌われる」などの意味もあります。
「臭丫头」で「クソ女」のような意味になります。


この「くそっ、小娘が」のセリフの後に
クロトワはナウシカに手出ししようとしますが
クシャナに「やめろ」と止められます。
その後のクロトワのセリフがこちらです。

可是
kě shì
しかし・・

真是个疯丫头
zhēn shì ge fēng yā tou
あーあ、なんてやつだよ

またまた出てきました。
今度は「疯」という言葉がついてます。
「疯」は「気が狂った」という意味の
形容詞です。
「疯丫头」で調べると
「いかれた女」「尻軽女」「おてんば娘」
などいろいろありました。
ここでは「なんてやつ」という
日本語からの翻訳なので
「いかれた女」あたりのニュアンスでしょうかね。


最後はクシャナのセリフです。
トルメキアの船が襲撃されて脱出してから
腐海の森に不時着したあと
銃を突きつけるクシャナナウシカ
言い争ってる場面です。

ナウシカ我只是想帮助你
     wǒ zhǐ shì xiǎng bāng zhù nǐ
     私はただあなたに

    让你回去自己的国家而已
    ràng nǐ huí qù zì jǐ de guó jiā ér yǐ 
    自分の国へ帰ってもらいたいだけ

クシャナ你这丫头
     nǐ zhè yā tou
     貴様!

「这」がついて「这丫头」となっています。
普通に訳したら「この女の子」ですが
この流れだと「この小娘が」って感じで
罵ってるニュアンスが含まれていそうですね。
この部分、字幕だと「你这个丫头」となっています。


他にもこんなふうに使います。
 傻丫头 shǎ yā tou  バカ女、おばかさん
 野丫头 yě yā tou   おてんば娘
 美丫头 měi yā tou  美少女


「丫头」自体には罵ったり見下したりする
ニュアンスは含まないかもしれませんが
言い方や話の流れによっては
罵り言葉になるのかもしれません。
また「丫头」に付け加える言葉によっては
とても汚い言葉になりそうです。

使い方には気をつけた方がよさそうですね。