ジブリで中国語を学ぼう!

ジブリ映画の中国語吹き替えを聴いて中国語を勉強しています。

社交辞令的なあいさつ言葉

千と千尋」のセリフの中で
「いらっしゃいませ」とか
「お世話になりました」とか
そういう社交辞令的なあいさつ言葉を
中国語でどのように表現されていたか
紹介したいと思います。


まずはハクと千尋が橋を渡る場面。
橋の入り口と出口に湯屋の従業員達がいて
出迎えてくれました。

欢迎光临
huān yíng guāng lín
いらっしゃいませ

我们等你好久了
wǒ men děng nǐ hǎo jiǔ le
お待ちしてましたよ

「欢迎光临」は
お店などでよく聞くフレーズです。
「欢迎」は「歓迎する」という動詞で
「光临」は「おいでになる」「いらっしゃる」という意味です。
「来ていただいたこと歓迎します」
っていう意味合いですね。

そのあとは
「等」は「待つ」という動詞で
「好久」は「長い間」という意味なので
「私たちはあなたを長い間待ってました」
っていう熱烈歓迎な言葉になります。


次のセリフもお客様を迎える言葉です。
オクサレ様が来た時の湯婆婆のセリフです。

谢谢您的大驾光临啊
xiè xie nín de dà jià guāng lín a
ヨクオコヒクダサイマヒタ・・・

日本語のセリフがカタカナになってるのは
臭すぎてまともにしゃべれないのを
表現してるんでしょうね。
日本語字幕表記でこうなっていました。

「大驾」は「貴方様」という意味。
「大驾光临」は辞書によると
「おいでいただき、光栄の至りに存じます」
とのこと。
なんだか仰々しいですね。
その仰々しいところに
さらに「谢谢您」がプラスされて
感謝の意を込めています。

これもお店とかホテルで
よく使われるフレーズなんでしょうか。
とても丁寧な言い方なので、
大きいホテルとかでは使われていそうですね。
湯屋も神様をお迎えする場所なので
丁寧な言葉を使ったのかもしれません。


次は千尋湯屋で働くことになった時に
従業員の皆さんにしたあいさつです。

请多多指教
qǐng duō duō zhǐ jiào
よろしくお願いします

「指教」は「指導する」「教える」
という意味の動詞です。
「たくさん指導してください」という意味から
「よろしくお願いします」となります。

「よろしくお願いします」
という意味で使うフレーズは
他にも「请多指教」「请多关照」
「请多多关照」などがあります。


次はお礼の言葉です。
釜爺のところから湯婆婆のところへ向かう時に
「あんた釜爺にお礼言ったの?」
とリンに指摘されて
千尋があわてて釜爺に言った言葉です。

谢谢爷爷您的照顾
xiè xie yé ye nín de zhào gù
ありがとうございました

「照顾」は「世話をする」「面倒を見る」
という意味があります。
「お世話になりありがとうございます」
というフレーズに
「おじいちゃん」の「爷爷」が入っています。
とても丁寧な感謝の言葉ですね。

ちなみにこの部分の字幕は至ってシンプルです。

谢谢爷爷
xiè xie yé ye

ある意味こっちの方が
日本語のセリフに近いですね。
この時点ではまだ千尋は世間知らずだったので
丁寧な挨拶ができるような気がしません。
「谢谢」くらいの方がちょうどいいような
気がします。


ほぼ同じ言い回しが
違う場面でも使われています。
千尋が豚クイズで「大当たり〜」したあと
湯屋を立つ時に湯婆婆に向かって言いました。

谢谢您的照顾
xiè xie nín de zhào gù
お世話になりました

先ほどの釜爺へのセリフの
「爷爷」がないバージョンですね。
こちらは日本語のセリフも
「お世話になりました」となっています。
千尋がきちんと自分から丁寧な挨拶ができて
成長を感じる場面です。


最後は千尋が銭婆の家に到着した場面です。
銭婆に「进来吧 jìn lái ba」と言われて
千尋が家に入る時に言った言葉です。

打扰了
dǎ rǎo le
失礼します

日本語のセリフでは
「失礼します」になっていますが
「打扰了」は「お邪魔します」
の意味でよく使われます。

「打扰」は
「邪魔をする」という意味の動詞です。
「打扰了」や「打扰您了」は
家を訪問した際に「お邪魔します」
の意味でも使われますが
それ以外でも「ちょっと失礼します」とか
「お手数おかけします」みたいな場面でも
使えるようです。


もともと千尋は挨拶もろくにできない
世間知らずの小学生でした。
「はいとかお世話になりますとか言えないの?」とリンに注意されたり
湯婆婆に「ノックもしないのかい」
と怒られたりしながら成長し
最後は「失礼します」や「お世話になりました」が言えるようになりましたね。

挨拶はホントに大事です。
世間知らずじゃなくても、
知らなければ使えません。
中国で挨拶言葉が出てこない時に
世間知らずだと思われちゃったら悲しいので
ちゃんと覚えておきたいですね。