ジブリで中国語を学ぼう!

ジブリ映画の中国語吹き替えを聴いて中国語を勉強しています。

トルメキアとペジテと城オジ達の名前

ナウシカの登場人物の
中国語の名前についての第4弾です。

ナウシカの登場人物は、
ほとんどが音からの当て字なので
漢字にも特に意味はなさそうです。

まずはトルメキアの人たちから。
トルメキアは強大な軍事国家で
船が風の谷に墜落したのをきっかけに
侵略してきます。

 トルメキア  多鲁美奇亚 duō lǔ měi qí yà 
 クシャナ   库夏娜 kù xià nà 
 クロトワ   克罗托瓦 kè luó tuō wǎ

クシャナのことをクロトワは
「殿下 diàn xià」と呼びます。
最初に風の谷でクシャナが演説をするときに
クロトワがクシャナのことを
皆に紹介するときの肩書きが長い。

  多鲁美奇亚王国边境派遣军司令官
  duō lǔ měi qí yà wáng guó biān jìng
  pài qiǎn jūn sī lìng guān

 トルメキア帝国辺境派遣軍司令官

なんだそれ、って感じですね(笑)
谷の人たちポカーンですよ。


次はペジテの人たちです。
ペジテはトルメキアに占領されて
巨神兵を奪われた国です。

 ペジテ  培吉特 péi jí tè 
 ラステル 拉丝黛儿 lā sī dài ér 
 アスベル 阿斯贝鲁 ā sī bèi lǔ 

墜落したトルメキアの船に
捕虜として乗っていたのがラステルで
ミトがラステルを見てこう言います。

 培吉特的王族公主
 péi jí tè de wáng zú gōng zhǔ 
 ペジテ市の王族の姫君

「姫君」の「公主」は
ナウシカを「姫様」と呼ぶときと同じですね。

アスベルはナウシカがラステルを
看取ってくれた人だと知って
ラステルのことをこう説明していました。

 双胞胎妹妹 
 shuāng bāo tāi mèi mèi
 双子の妹

話はそれますが
千と千尋の神隠し」で銭婆が自分のことを
 汤婆婆的双胞胎姐姐
 tāng pó pó de shuāng bāo tāi jiě jiě 
千尋に説明していました。
「双胞胎姐姐」は「双子の姉」になります。


最後は城オジ達です。
城オジとは
城の守りに就いている年配の方達のことで
ミト、ゴル、ギックリ、ニガ、ムズ
の5人がいます。
他にもいるのかもしれませんが、
物語で出てくるのはこの5人です。

 ミト 米特 mǐ tè 
 ゴル 戈尔 gē ěr 

ミトはナウシカのお目付役のような
立場の人です。
城オジ達のリーダー的存在。
ギックリ、ニガ、ムズについては
セリフで名前が出てこないので
中国語表記はわかりません。
中国語吹き替え用のアフレコ台本が欲しいです。

ミトのセリフで、
ナウシカ腐海遊びが困ることを話し
「城オジのわしの身になってみろ」
と言うセリフがあるのですが
中国語吹き替えでは「城オジのわしの身」を「我」の一言で表現していて
ざっくりしてるなーと思ったのですが
字幕の方ではこうなっていました。
 
 大老的立场 dà lǎo de lì chǎng

大老」は「老人」とか「長老」とかの
意味があるようです。
何か城の役職の名前で「大老」とか
あるのかな?と思ったのですが
中国語ではどうなんでしょう。
日本語で言ったら
大老」は江戸幕府での役職名で
将軍の補佐役という重要ポストのようですが。

「城オジ」という言葉は
他にはセリフで出てきませんが
日本語字幕を表示すると
城オジ達がみんなで
ワーワー言ってるようなセリフの時は
「(城オジたち)姫様〜」
というような表示になっていて
それで初めて「あのおじいさん達みんなが
城オジなんだ」と知りました。


外来語の当て字のやり方に
何か法則があるのか知りませんが
よく使われる字っていうのはありますね。

ナ→娜 
娜乌西卡(ナウシカ)库夏娜(クシャナ
ル→尔 
基尔(ジル)戈尔(ゴル)
ト→特、托 
米特(ミト)克罗托瓦(クロトワ)
特埃托(トエト)

「トエト」は風の谷にユパ様が到着した時に
赤ちゃんをユパ様に見せて名付けを依頼した
女性です。

「特」はペジテ(培吉特)でも
使われていますが
「ト」じゃなくて「テ」ですね。
「te」の発音が「ト」でも「テ」でもなく
微妙な発音なのでどっちもありなんですね。
よく考えたら中国語の発音で「to」はないので
「te」とか「tuo」とか「duo」で当てはめているんですね。

外来語の当て字も
そうやっていろいろ見ていくと
なかなかおもしろいかもしれません。