ジブリで中国語を学ぼう!

ジブリ映画の中国語吹き替えを聴いて中国語を勉強しています。

名詞の場所詞化

「猫が座布団にいる」というのを
中国語で言うとこのようになります。

猫在坐垫上 māo zài zuò diàn shàng 

「坐垫」は「座布団」ですが
座布団を場所として表す場合は
単独で「坐垫」は使えないんですよね。

日本語だったら「座布団の上」という
言い方をするときもありますが
「上」がなくても意味としては通じます。
でも中国語では名詞を場所として表すときは
「上」「里」「边」などの方位詞をつけて
場所詞にする必要があります。

このように、名詞を場所詞化した表現は
千と千尋の神隠し」の中でも
たびたび使われていました。
その中のいくつかを紹介したいと思います。


まずは千尋のセリフです。
千尋が豚の父母に想いを馳せていたら
前に一度見かけたことがある竜が
再び飛んでるのを見つけた時のセリフです。

在桥上看过的那条龙
zài qiáo shàng kàn guo de nà tiáo lóng
橋のとこで見た竜だ

往这边飞过来了
wǎng zhè biān fēi guò lái le
こっちへ来る

「橋のとこで」という部分が
「桥上」となっています。
「橋で」だったら「桥」で
いいような気がしてしまいますが
「桥上」というように「上」をつけないと
場所として扱えないんです。

別の場面でこのような言い方もありました。

到小桥那边见
dào xiǎo qiáo nà biān jiàn
橋の所へおいで

ハクが寝ている千尋に声かけるセリフです。
お父さんとお母さんに会わせてくれる場面ですね。

「橋の所」が「小桥那边」となっています。
「小桥」に「那边」がついて
場所を表す言葉に変えています。

ちなみに「桥上」と「小桥那边」
字幕ではそれぞれ違う言い方になっていました。

 桥上   → 桥边
 小桥那边 → 小桥那里

厳密に言えばニュアンスの微妙な違いが
あるのかもしれませんが
それぞれ大きな違いはないと思います。


次は銭婆のセリフです。
千尋が銭婆にハンコを返したときに
「変な虫を潰した」という話をした後です。

踩死了?
cǎi sǐ le
踏み潰した!

那只虫是她特别摆到龙肚子里
nà zhī chóng shì tā tè bié bǎi dào lóng dù zǐ li
あんたその虫はね、妹が弟子を操るために

为了要控制白龙的行动的
wèi le yào kòng zhì bái lóng de xíng dòng de
竜の腹に忍び込ませた虫だよ

「竜の腹」の部分が
「龙肚子里」となっています。
「龙肚子」だけではただの名詞なので
方位詞の「里」がついて場所を表しています。


次は湯婆婆のセリフです。
坊に話しかける場面です。

宝宝又不睡在床上了
bǎo bao yòu bú shuì zài chuáng shàng le
もう坊はまたベッドで寝ないで

「ベッドで」が「在床上」となっています。
日本語ではあえて「ベッドの上で」
と言わないことも多いですが
中国語では「床上」と言わないといけない
わけですね。


千と千尋」の中で出てきた方位詞は
圧倒的に「上」と「里」が多く使われていました。

日本語は「机に置く」とか
「ポケットに入れる」とか言いますが
中国語では「桌子上」「口袋里」のように
「机の上」「ポケットの中」
と言わなければなりません。

この感覚は慣れるしかないですね。
ついうっかり方位詞をつけるのを忘れてしまいそうです。

ちなみに、
国や地名の時には方位詞はつけません。
また、「学校」や「家」「公園」など
場所を表す意味を持つ名詞の場合は
つけてもつけなくてもいいようです。

これまたややこしいですね。


にほんブログ村 外国語ブログ 中国語へ
にほんブログ村