ジブリで中国語を学ぼう!

ジブリ映画の中国語吹き替えを聴いて中国語を勉強しています。

「最好」の副詞的な用法

中国語で「最好」という言葉があります。

「最も良い」という意味で
形容詞として使うこともありますが
副詞として使う場合は
「〜したほうがいい」「〜するのが一番いい」「〜するに越したことはない」
というような使い方をします。


千と千尋」の中のセリフでも
「最好」は副詞的な役割で使われていました。

まずは千尋のセリフです。
大暴れしたカオナシと対峙する場面です。

你从哪里来的?
nǐ cóng nǎ li lái de
あなたはどこから来たの?

你最好赶快回你的地方去
nǐ zuì hǎo gǎn kuài huí nǐ de dì fang
あなたは来たところへ帰ったほうがいいよ

「赶快」は「すぐ」という意味です。
「あなたの場所へ帰ったほうがいい」
「帰るのが一番いい」というニュアンスですね。

カオナシって一体どこから来たんでしょうね。
やはり人間に捨て去られた何かを
象徴してるのでしょうか。
謎です。


次は千尋のセリフです。
朝起きたら大部屋のみんながいなくて
下へ降りたらカオナシが金をばらまいていて
リンに「千も来い」と誘われた時のやりとりです。

千尋我要先去锅炉爷爷那里
   wǒ yào xiān qù guō lú yé ye nà li
   私釜爺のところに行かなきゃ

リン:最好不要现在去找锅炉爷爷
   zuì hǎo bú yào xiàn zài qù zhǎo guō lú yé ye
   今釜爺んとこ行かないほうがいいぞ

  把他吵醒了
   bǎ tā chǎo xǐng le
   たたき起こされて

  他脾气很坏的
   tā pí qì hěn huài de
   ものすごく不機嫌だから

「最好」を「不要」と組み合わせると
「〜しないほうがいい」という意味になります。
「最好不要去」で「行かないほうがいい」となります。

他に「最好不〜」「最好别〜」
という表現もあり
いずれも「〜しないほうがいい」という
意味になります。


最後は千尋のお母さんのセリフです。
冒頭の引越しのシーンです。
車で迷う前ですね。
「前の学校の方が良かった」とか
「花が枯れてきた」とか
千尋が何かとイチャモンをつけていた時です。

今天我们很忙
jīn tiān wǒ men hěn máng
もうしゃんとしてちょうだい

最好安分一点
zuì hǎo ān fèn yī diǎn
今日は忙しいんだから

日本語のセリフと中国語のセリフは
前半と後半が入れ替わってますね。
中国語の方は「今日は私たちはとても忙しい」というセリフが先に来ています。

それに続いて「最好」が使われています。
「安分」は「分をわきまえる」
「おとなしくする」という意味で
「最好安分」で「分をわきまえた方がいい」
または「おとなしくしていた方がいい」
となります。

日本語では「しゃんとする」となっています。
「しゃんとする」ってなんでしょう。
「シャキッとする」とか「姿勢を正す」
という感じですね、きっと。

「安分」と「しゃんとする」は
ちょっとニュアンスが違そうな気もしますが
どちらも「ちゃんとする」という意味では
着地点は同じかもしれません。


この「安分」は電車のシーンでも出てきます。
千尋カオナシに向けて言います

过来坐吧
guò lái zuò ba
おいで

可是你要安分一点喔
kě shì nǐ yào ān fèn yī diǎn ō
おとなしくしててね

「安分」は「おとなしくする」という意味で
使われています。
電車の中では
「騒いだりせずに分をわきまえる」
ということですね。


「最好」の「〜した方がいい」という表現は
少し上からモノ言ってるような感じがするので
上手に使いこなせるかどうかイメージできません。。(汗)

同じような意味で
「比较好」という言葉もあります。
こちらの方が使いやすそうかな?
という印象があります。

この言葉も「千と千尋」のセリフの中で
使われていました。
次回は「比较好」について
紹介したいと思います。