ジブリで中国語を学ぼう!

ジブリ映画の中国語吹き替えを聴いて中国語を勉強しています。

リンの「トロい」とか「ドンくさい」とかのセリフ

千と千尋」の中で
リンはちょっと口が悪いイメージが
ありますよね。
千尋に対して、ノロマとか、ドンくさいとか、
けっこう言いたい放題です。
でも湯婆婆のそれとは違って
愛を感じるのでイヤな感じはしません。

湯婆婆は「慢吞吞」という表現を使って
千尋や従業員たちにたいして
「ぐずぐずするな」とよく口にしていました。

「ぐずぐずするな!」とせかす言葉

それに対して、リンはどの様な中国語で
千尋に対してあれこれ言ってるのでしょうか。


まずは釜爺のところで。
釜爺に、千尋を湯婆婆のところに
連れて行くようにリンが言われて
千尋がもたもたしてる場面です。

真是反应迟钝
zhēn shì fǎn yìng chí dùn
ドンくさいね

「反应」は「反応」という名詞
「迟钝」は「鈍感だ」という形容詞になり
「反応が鈍感だ」という意味から
「ドンくさい」となります。

このあと、靴はいらないとか、
靴下も脱いでとか、
ありがとうは言えないのかとか、
とにかく細かい教育的指導が入ります。
千尋が成長できたのはリンのおかげですね。


次のセリフも
ちょっと似た様な言い回しになっています。
千尋が湯婆婆のところから無事に戻って
従業員たちに紹介された後です。
イヤイヤ千尋を引き受けた(フリの)あとです。

看你反应那么慢害我好担心喔
kàn nǐ fǎn yìng nà me màn hài wǒ hǎo dān xīn wo
お前トロいから心配してたんだ

言い方は雑ですが、愛を感じる言葉です。
これを聞いて千尋もホッとしたんじゃないですかね。

「那么慢」は「あんなに遅い」なので
「反応があんなに遅い」が
「トロい」という日本語を表現しています。

「反应迟钝」→ドンくさい
「反应那么慢」→トロい

どちらもたいして変わらないですね。
日本語でも言い方が違うだけで
意味にさほど違いはありません。



次は大湯を掃除している場面。
「これを引っ張ったら水が出る」と言われて
千尋が引っ張りましたが
そのときに転んでしまい、リンに言われます。

小千,你真是笨手笨脚的
xiǎo qiān   nǐ zhēn shì bèn shǒu bèn jiǎo de
千ってホントドジな

「笨手笨脚」は成語になります。
「不器用」「動作が遅い」
などの意味があります。

「笨」は形容詞で「間抜けである」
「愚かである」「不器用である」
などの意味があるので
「手」も「脚」も不器用って事ですね。

「笨」を使った言葉でよく見かけるのが
「笨蛋」という言葉です。
「バカ」「うすのろ」という意味の、
ののしり言葉になります。
この言葉は湯婆婆のセリフに出てきました。

カオナシ が大暴れして、
千尋湯屋を出て行った後です。
「せっかくの儲けをフイにしちまって」と
湯婆婆が怒ってる場面です。

都是小千那个笨蛋
dōu shì xiǎo qiān nà ge bèn dàn
千のバカが

「都是」は「みんな〜のせいだ」
という意味があるので
「みんな千、あのバカのせいだ」
みたいなニュアンスになります。
やっぱり湯婆婆が言うと、
ただ一方的にののしってる様に聞こえますね。


先ほどのリンのセリフの「笨手笨脚」は
別の場面でも出てきます。
同じくリンのセリフです。
小舟に乗って、駅に向かう千尋を見送る場面です。

小千!我以前说你笨手笨脚的

xiǎo qiān   wǒ yǐ qián shuō nǐ bèn shǒu bèn jiǎo de
セ〜ン、お前のことドンくさいって言ったけど

我收回那句话
wǒ shōu huí nà jù huà
取り消すぞ〜!

自分で言った「笨手笨脚」の言葉を
撤回するセリフです。
ひとつ目の「笨手笨脚」は
日本語の「ドジ」の部分に当てていますが
ふたつ目の方は「ドンくさい」の部分ですね。

この撤回する部分は
「反应迟钝」や「反应那么慢」の方でも良かったわけですね。

「ドンくさい」とか「トロい」とかは
愛情含めて言う分にはいいかもしれませんが
罵る意味で受け取られるかもしれないので
使う相手を選ばないといけませんね。