ジブリで中国語を学ぼう!

ジブリ映画の中国語吹き替えを聴いて中国語を勉強しています。

「ナウシカ」に出てくる古き言い伝えの中国語版

風の谷のナウシカ」に出てくる中で
有名なくだりと言ったら
大ババ様が語る「古き言い伝え」が
ありますね。
「その者青き衣をまといて・・」
ってやつです。

物語の序盤でその言い伝えが語られて
後半ではそのいい伝えが
ナウシカのことだったと分かり
ちょっとしたトリハダもんの展開。

その古き言い伝えの日本語はこうなっています。

その者青き衣をまといて
金色の野に降り立つべし
失われし大地との絆を結び
ついに人々を青き清浄の地に導かん

なんだか言い伝え独特の言い回しって感じで
雰囲気出てますよね。
こういう独特な言い方って
他の言語だとどう表現するんだろうって
ちょっと興味があります。

中国語の吹き替えではこうなっています。

这个人身穿蓝色长衣
zhè ge rén shēn chuān lán sè zhǎng yī

飘然降临在一片金色的大草原上
piāo rán jiàng lín zài yī piàn jīn sè de dà cǎo yuán shàng

身系连结着即将失落的大地的羁绊
shēn xì lián jié zhe jí jiāng shī luò de dà dì de jī bàn

最后终于带领人们走向湛蓝清净的地方
zuì hòu zhōng yú dài lǐng rén men zǒu xiàng zhàn lán qīng jìng de dì fang

4文字熟語とか
漢詩みたいに韻踏んだりとか
そういう感じなのかな?とか
勝手に想像したのですが
意外と文章的?説明的?な印象ですね。

まずは「这个人身穿蓝色长衣」の部分です。
「这个人」は「この人」で、
日本語の「その者」にあたります。
「身穿」は「身にまとう」
「蓝色长衣」は「青き衣」で
「その者青き衣をまといて」となります。
そのままですね。

次の「飘然降临在一片金色的大草原上」の部分
「飘然」は「飄然として」「ふらりと」
「降临」は「訪れる」「降臨する」
「片」は量詞で平原、砂漠など
ひと続きのものを数えます。
直訳すれば「金色の大草原にふらりと現れた」という感じかな?

次の「身系连结着即将失落的大地的羁绊」は
「连结」は「連結する」
「即将」は「まさに〜しようとしている」
「失落」は「失う」
「羁绊」は「絆」「束縛」

「身系」の部分がよく分からないのですが。。
「身系」という言葉は調べても出てこないので
「身」は「体」「生命」「自ら」などの意味
「系」は「つながり」「系統」「結ぶ」など

直訳すると
「まさに失われようとしている大地の絆を自ら結んだ」
って感じなのかな?なんか違うかな?
「身」と「系」の訳し方がよく分かりません(汗)

最後の一文
最后终于带领人们走向湛蓝清净的地方
「最后」は「最後」
「终于」は「ついに」
「带领」は「導く」
「走向」は「〜に向かって歩む」
「湛蓝」は「深い青色の」
「清净」は「静かで心惑わすものがない」
直訳(意訳?)すると
「ついに青き清浄な地へ人々が向かうのを導いた」

全体的に語数が多い印象です。
なんとなくくどいように感じるのですが
それが古い言い伝え感を出しているのか
どうかはよく分かりません。
ひとつひとつの言葉が
古い雰囲気をかもし出しているかどうかも
私には判別できません。


この言い伝えの部分、
字幕だと違った表現になっています。

身穿蓝衣
shēn chuān lán yī

降临金色原野
jiàng lín jīn sè yuán yě

联系失去了的大地
lián xì shī qù le de dà dì

带领人们来到清净
dài lǐng rén men lái dào qīng jìng

吹き替えよりも簡潔です。
使っている言葉は吹き替えに使われている
言葉とほとんど同じですが
語数が少なくなっています。

言い伝えや予言って
はっきりしたことを言わなかったり
言葉が少なくて分かりにくかったり
どうとでも解釈できるようなもの
っていうイメージがあるので
こちらの方が古き言い伝えって感じが
出ているんじゃないかな?と思いました。
ネイティブの方が聞いたら
どう感じるのかは分かりませんが。

こういう独特な日本語を翻訳するのは
難しい作業なんだろうなと想像できます。
語数を揃えて韻を踏んだようなものを
期待してしまいましたが
なかなかそう上手くはいかないんでしょうね。。。

英語の吹き替えと字幕も気になるので
今度チェックしてみようかな、と思いました。