ジブリで中国語を学ぼう!

ジブリ映画の中国語吹き替えを聴いて中国語を勉強しています。

「名づけ親になってください」のセリフ

風の谷のナウシカ」の中で
ユパ様がナウシカに助けられたあと
風の谷にやってくる場面があります。

ナウシカが赤ちゃんを抱っこしてきて
ナウシカの子供なのか?」と思いきや
「トエトの子です」とユパ様に紹介しますね。
トエトは風の谷の女性です。

その時のセリフのやりとりはこうなっています。

トエト:我想请您帮这孩子
    wǒ xiǎng qǐng nín bāng zhè hái zi
    どうかこの子の名付け親に
    
    取个名字好吗?
    qǔ ge míng zi hǎo ma 
    
なってくださいませ
 
 婆:希望这孩子永远
  xī wàng zhè hái zi yǒng yuǎn
  いつかいい風が

  受到风神的庇护
  shòu dào fēng shén de bì hù 
  その子に吹きますように

ユパ:没问题
   méi wèn tí
   引き受けよう

   我一定会为他想个好名字的
   wǒ yī dìng huì wèi tā xiǎng ge hǎo míng zi de
   良い名を送らせてもらうよ

この「婆」というのは大ババ様ではなくて
別の年配の方(たぶんトエトの母親?)です。

トエトがユパ様に
「名付け親になってください」
とお願いしてますが
中国語では「取个名字」という表現に
なっています。

「取」は「手に取る」という意味のほか
「採用する」「選ぶ」という意味もあり
「取个名字」で
「名前を選ぶ」というニュアンスから
「名前をつける」と訳すことができます。

「名字」は「名前」のことですが
その前になんで「个」が入るんでしょうね。
ときどき動詞の後に
単体で「个」が入るのを見かけますが
なかなかこういう表現に慣れません。

辞書で調べてもネットでググっても
「取个名字」という言い方をしていて
「取名字」というのは見かけないので
「个」が入るのが一般的なんでしょうかね。

動詞と目的語の間に「个」を置いて
「ちょっと〜する」というような
動作を軽い気持ちで行う語気を表すようで
 打个电话(電話をかける)
 买个东西(買い物をする)
などで見る「个」もその用法のようです。
「取个名字」もそのシリーズなのかな?
(違っていたらすみません・・)

他にも「名前をつける」という意味で
「起名字」「起名儿」
という言い方もあるようです。
 给孩子起名字(子供に名前をつける)
このように表現できます。

また「取名」で
「名付ける」という動詞にもなり
 我给这孩子取名为花子
(私はこの子に花子と名付けた)
このような使い方ができます。


セリフの方に戻ります。
「我想请你〜」で
「私はあなたに〜してほしい」となります。
「帮」は「手伝う」という意味で
「帮+人+動詞」で「人が〜するのを手伝う」「〜(人)の代わりに〜してあげる」
のような意味で使います。

その後の婆のセリフ
「いい風がその子に吹きますように」は
「風の谷」ならではの表現だと思いますが
中国語では「受到风神的庇护」
という言葉を使っています。
「風の神の庇護を受ける」という意味で
これに「希望这孩子永远」が加わり
「この子がいつまでも風の神の庇護を受けますように」という意味になります。

ある意味、中国語の方が分かりやすいかも
しれませんね。
「いい風が吹くよう願う」というのは
独特な表現なので、このまま訳したら
分かりにくいのかもしれません。

最後のユパ様のセリフ
「为他」は「彼(赤ちゃん)のために」で
「想个好名字」は「良い名前を考える」ですが
またここにも「个」が登場してきました。

名前をつけるって
それなりに真剣な作業だと思うのですが
「个」を入れることで
軽い感じになっちゃうんだとしたら
なんとなく違和感を感じるのですが
そんなに大きな意味の違いはないのでしょうか。

日本語では「名付け親」となってますが
中国語ではそれに当てはまる言葉が
ないのかもしれません。
(辞書で調べた限りでは・・・)

検索すると
「养父」や「教父」なども出てきますが
「养父」は「育ての親」という意味合いが強く
「教父」は「キリスト教で洗礼を受ける時の
名付け親」となっているので
こちらもちょっと意味が違ってきますね。

「给孩子起名的人」(子供に名付けする人)
という説明的な言い方が
「名付け親」という言葉に近いのかも。
「名付け親になる」って
日本語独特の表現なのかもしれませんね。



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