ジブリで中国語を学ぼう!

ジブリ映画の中国語吹き替えを聴いて中国語を勉強しています。

「只要」の用法

中国語で「〜しさえすれば」という意味で
「只要」という接続詞の言葉があります。

「只要」は文の頭に置かれることが多く
「只要」を含む文章は
〜しさえすれば」という必要条件を表し、
それに続く文ではその条件を受けて
「就」が使われることが多いです。
「就」は「そうであるならば」というような
意味合いを持ちます。

千と千尋」の中でも
「只要」を使ったセリフは何回か出てきたので
紹介したいと思います。


まずはリンのセリフからです。
大湯を掃除している場面で、
札をもらってきて薬湯を入れる場面です。

只要把这个拉一下就会有热水
zhǐ yào bǎ zhè ge lā yī xià jiù huì yǒu rè shuǐ
これを引けばお湯が出る

「只要」のあとに
「把这个拉一下」が続いています。
「これをちょっと引く」という意味なので
前半は「これをちょっと引きさえすれば
となります。
それに続く文には「就」が使われていていて
「そうすればお湯が出る」
と結果を示しています。


次はオクサレ様が帰った後、
ベランダでの千尋とリンのやりとりです。

千尋那个城镇好像在海里
  nà gè chéng zhèn hǎo xiàng zài hǎi lǐ
   町がある、海みたい・・・

リン:那是当然的
   nà shì dāng rán de
   当たり前じゃん

リン:这里只要下雨就会变成海
   zhè li zhǐ yào xià yǔ jiù huì biàn chéng hǎi
   雨が降りゃ海ぐらいできるよ

この世界では雨が降ると海になるのが
当たり前なんですね。

このセリフでは「只要」は文頭ではなく
「这里」の後にきています。
「ここは雨が降りさえすれば
という必要条件の文となり
それを受けて「就」を用いて
「海に変わる」と述べています。


次は千尋のセリフです。
河の神様から苦団子をもらった後、
夢の中で豚の父母に会いにいく場面です。

爸爸妈妈
bà ba mā ma 
お父さん、お母さん

这是河神给我的丸子
zhè shì hé shén gěi wǒ de wán zi
河の神様からもらったおダンゴだよ

只要吃了这个
zhǐ yào chī le zhè ge
これを食べれば

一定可以变回人类
yī dìng kě yǐ biàn huí rén lèi
人間に戻れるよ、きっと

「吃了这个」は
「これを食べた」という意味なので
「只要」が文頭に来て「これを食べさえすれば」という意味になります。
それに続く文には「就」がありませんが
「一定」は「きっと〜だ」という意味があり
「一定」が使われる時には
「就」が省略されることもあるようです。


最後はリンのセリフ。
銭婆のところへ向かう千尋
小舟で見送る場面です。

从这里用走的
cóng zhè li yòng zǒu de
ここから歩け

只要到车站就没问题了
zhǐ yào dào chē zhàn jiù méi wèn tí le
駅は行けば分かるって

直訳すれば「駅に到着しさえすれば問題ないです」となります。


こうやって「只要」を使ったセリフを
並べてみていくと、
なんとなく、どういう時に「只要」を使えばいいのか分かったような気がします。
私自身「只要」とか「只有」とか
なんだかその辺りは
ちょっと苦手意識がありました。

例文をいろいろみて、
どういう場面で使えるのかを
イメージするといいですね。