ジブリで中国語を学ぼう!

ジブリ映画の中国語吹き替えを聴いて中国語を勉強しています。

「〜来〜去」の用法

「動詞」+「来」+「動詞」+「去」
という形で表されて
「あちこち〜する」のように
その動詞の動作で
行ったり来たりする様を表します。
この表現の場合、2カ所ある動詞は
同じ動詞が入ります。


千と千尋」では
この表現はふたつ出てきました。

まずはハクのセリフです。
千尋が豚になった父母を見て逃げ出して
ハクにこの世界のものを食べさせてもらった後です。

别出声
bié chū shēng
静かに!!

她飞来飞去是在找你
tā fēi lái fēi qù shì zài zhǎo nǐ
そなたを捜しているのだ

没时间了,快跑
méi shí jiān le   kuài pǎo
時間がない、走ろう!

湯婆婆が鳥になって徘徊しているのを見て
ハクが言ったセリフですね。

「飞来飞去」の部分です。
動詞のところに「飞」が入っています。
「飞」は「飛ぶ」という動詞です。
「飞来飞去」で「あちこち飛び回る」
「飛んで行ったり来たりする」
のような意味になります。

中国語のセリフを直訳すれば
「彼女が飛び回っているのは
あなたを捜しているのです」
というような感じになります。

日本語のセリフでは
「飛び回る」ということは言ってませんね。
飛び回る湯婆婆をハクが見て
「そなたを捜している」と言ったので
映像からも理解できる部分です。
中国語の方では状況を詳しく説明していますね。


もう一つは千尋のお母さんのセリフです。
最後の場面で、豚から人間に戻り
トンネルの手前で千尋を待つ場面です。

母:千寻
  qiān xún
  ちひろ

  你在做什么呀?
  nǐ zài zuò shén me ya  
  何してるの

  快点来啊
  kuài diǎn lái a
  早く来なさい

千尋妈妈,爸爸
   mā ma bà ba
   お母さん!お父さん!

母:要听话嘛
  yào tīng huà ma
  ダメじゃない

  不要跑来跑去的
  bú yào pǎo lái pǎo qù de
  急にいなくなっちゃ

父:走了
  zǒu le
  行くよ

この場面、
よく千尋は逆ギレしなかったよなーと
ホント感心しちゃいます。
安心の方が大きかったんでしょうね。

「跑来跑去」の部分についてです。
「跑」は「走る」という動詞です。
「あちこち走り回る」「走って行ったり来たりする」 というような意味合いになります。

ここでのセリフでは「不要」がついてるので
「あちこち走り回ってはいけない」
という意味になります。
ここでは「どっか行っちゃダメでしょ」
というような意味で使われています。


この「〜来〜去」という表現ですが
具体的に動詞が示す動作で
行ったり来たりする様子を表す他に
ある動作を繰り返し行うことを表したりもします。

 看来看去 kàn lái kàn qù  
 →繰り返し見る、何度見ても
 想来想去 xiǎng lái xiǎng qù  
 →いろいろと考える、思い巡らす
 说来说去 shuō lái shuō qù  
 →あれこれ言う、繰り返し言う

いろいろな動詞で表現できるということが
分かりました。
なかなかこういう表現を使うのって
慣れないと勇気がいりますが
知っておくといいと思います。