ジブリで中国語を学ぼう!

ジブリ映画の中国語吹き替えを聴いて中国語を勉強しています。

「原来」の使い方

今回は「原来」という言葉についてです。

この「原来」という言葉は
「もともとの」という意味で
形容詞として使われる用法と
「もとは」「当初は」という意味や
「なんと(・・・であったのか)」という意味で副詞として使われる用法があります。

千と千尋」でもセリフの中で出てきました。
印象的な使い方もあったので
紹介していきたいと思います。


まずは湯婆婆のセリフです。
仕事を求めてきた千尋に対しての言葉です。

你也回不去原来的世界
nǐ yě huí bu qù yuán lái de shì jiè
お前ももとの世界には戻れないよ

このセリフの「原来」は
形容詞として「もともとの」という意味で
そのあとの「世界」を修飾しています。
「原来的世界」で「もともとの世界」ですね。
一番シンプルな使い方で分かりやすいです。


次はリンと千尋のやりとりです。
カオナシが大暴れして
リンが釜爺のところにいた千尋
みつけた時の会話です。

リン:我们以为是很大方的好客人
   wǒ men yǐ wèi shì hěn dà fāng de hǎo kè rén
   気前がいいと思っていた客が

  居然是妖怪无脸男

   jū rán shì yāo guài wú liǎn nán
   カオナシって化け物だったんだよ

  汤婆婆说是你让他进来的

   tāng pó po shuō shì nǐ ràng tā jìn lái de
   湯婆婆は千が引き入れたって言うんだ

千尋原来是他
   yuán lái shì tā
  
 あ・・・そうかもしれない

リン:啊?真的是你啊?
   a   zhēn de shì nǐ a  
  
 ええっ!?ホントかよ

千尋のセリフの「原来是他」ですが
これは「原来」は副詞として使っています。
「なんと彼だったのか」というニュアンスです。

似た様な言い回しでこの様な使い方もできます。
 我以为是谁,原来是你 
 wǒ yǐ wéi shì shéi   yuán lái shì nǐ

 誰かと思ったら君だったのか

千尋のセリフは
日本語では「そうかもしれない」ですが
中国語では雨の中たたずむカオナシ
戸を開けて招き入れた時のことを思い出し
「彼だったのか・・」というセリフが
こぼれたのかもしれません。

この部分、字幕ではこうなってます。

千尋也许是吧
   yě xǔ shì ba 

リン:真的吗
   zhēn de ma

「也许」は「もしかすると〜かもしれない」
という副詞で
日本語のセリフにより近い表現ですね。
そのあとのリンのセリフもシンプルです。


次は湯婆婆のセリフです。
坊がいないことに気がついた場面です。

湯婆婆:我的孩子在哪里
    wǒ de hái zi zài nǎ li
    私の坊をどこへやった〜

ハク:他现在在钱婆婆那里
   tā xiàn zài zài qián pó po nà li
   銭婆の所です

湯婆婆:钱婆婆
    qián pó po
    銭婆?ああ・・

    原来如此
    yuán lái rú cǐ
    なるほどね

    这个恶毒的女人
    zhè ge è dú de nǚ rén
    性悪女め

 「原来如此」はこのままでよく出てくる言葉で
「なるほど」という意味で使われます。

「如此」は
「このようである」という意味なので
「もともとこのようなことか」ということから
「なるほど」となるわけですね。

これに似た表現で
 原来是这样 yuán lái shì zhè yàng 
という言葉もあります。
こちらも「なるほど」という意味で使います。

「なるほど」は「なんとそうだったのか」
っていう意味にも近いので
「原来」は副詞的に使われているのかな?
ちょっと細かいとこは分かりませんが(汗)

どちらにしても、
「原来」は「もともと」という意味の他にも
「なんと〜だったのか」っていう
ニュアンスでも使うことができるって
覚えておくといいですね。