ジブリで中国語を学ぼう!

ジブリ映画の中国語吹き替えを聴いて中国語を勉強しています。

中国の名前は1文字だと落ち着かない

登場人物の名前についてです。

まずは主人公の千尋
湯婆婆に名前を奪われて
あちらの世界では
「千」と呼ばれていましたね。
これが「千と千尋」の題名の由来でもあります。

中国版ではどうでしょうか。
現実世界では同じく
 千寻 qiān xún
と呼ばれていますが
湯婆婆に名前を奪われたあとは
 小千 xiǎo qiān
とみんなから呼ばれるようになります。

そう、「千」ではないんですよ。
「小」がついて「小千」なんです。

それだったら題名も
「小千与千寻」の方が
いいんじゃないかって思いませんか?

中国で名前や姓の前に
「小」や「老」を付けるのはよくあることで
自分より年下の人には「小」
自分より年上の人には「老」をつけたりします。

でも物語の中では
「千」と名付けられたあと
愛称的に「小千」とみんなが呼んでる
っていう設定なわけでもなさそうで
唐突に湯婆婆に言われます。

从今以后你就叫小千
cóng jīn yǐ hòu nǐ jiù jiào xiǎo qiān

「今からお前の名前は小千だ」
みたいな感じでしょうか。
そういうもんなんですかね。
あだ名を命名する?みたいな。

それ以降、みんなが「小千」と呼び
自分でさえも「小千」だと思い込みます。
豚の父母に会いに行った時のセリフです。

爸爸,妈妈,是我啊・・我是小千
bà ba  mā ma  shì wǒ a   wǒ shì xiǎo qiān

自分で「小千」って言っちゃってますね。

日本語でいうところの
小さい子が自分のことを
「さっちゃん」とか「たっくん」とか
自分でちゃんとか君を付けちゃうような、
そんなイメージを持ってしまうのですが
中国ではどうなんでしょうね。


千尋以外の登場人物はどうでしょう。

リンは 
 小玲 xiǎo líng
ハクは
 白龙 bái lóng
坊は
 宝宝 bǎo bǎo

このように、漢字一文字の名前は
何かしらつけて二文字になっています。

中国の場合、漢字一文字の名前、結構います。
先ほどの「小」や「老」もそうですが、
同じ文字を繰り返したり
姓をつけてフルネームで呼んだりして
一文字ではあまり呼ばないようですね。

パンダの名前も繰り返し系が多いですが
NHKの「テレビで中国語」に出演されてる
稲葉友さんも「友友」と呼ばれていますね。


「ハク」が「白龙」なのは
竜に変身するネタバレになっちゃうじゃん!
って思いました(笑)
空を飛んでる竜を見て、
なぜか「ハク?」と千尋が気付きますが
名前に「龙」が入ってたら、
そりゃそこに結びつくよなーと。

でもさすがに
「白白」とか「小白」では格好がつかないし
名前としてはハマっていると思います。

ちなみに、「小」や「老」をつけるのは
年齢の上下や立場の上下関係など
いろいろとあると思いますが
一般的にはそこまで厳密ではないようです。

物語の中でも
千尋よりリンの方が先輩ですが
千尋がリンを呼ぶ時も「小玲」です。

親しい間柄だったり、
周りのみんながそう呼んでる場合に
多少の年齢差の逆転があっても
「小」や「老」をつけることはあるようです。