ジブリで中国語を学ぼう!

ジブリ映画の中国語吹き替えを聴いて中国語を勉強しています。

動詞の重ね型「ちょっと〜する」

中国語の表現の中で、
動詞を二つ重ねて
「ちょっと〜する」「ちょっと〜してみる」
という意味合いを持たせる用法があります。
動作の回数や時間を
少なくする意味を持たせることで
語気を和らげる効果もあります。

千と千尋」の中でもたびたび出てきました。
今回はその中の一部を紹介したいと思います。


まずは銭婆のセリフです。

你们两个可以来帮帮我吗?
nǐ men liǎng ge kě yǐ lái bāng bang wǒ ma 
お前たち手伝ってくれるかい?

「你们两个」はネズミと虫に変身させられた
坊と湯バードのことです。
糸を紡ぐのを手伝っていましたね。
「手伝う」の意味の「帮」を二つ重ねて
「ちょっと手伝う」というニュアンスになっています。


この「帮帮」は別の場面でも使われています。
釜爺がリンにお願いするセリフです。

你帮帮带她去汤婆婆那里好吗?
nǐ bāng bang dài tā qù tāng pó po nà li hǎo ma 
湯婆婆んとこへ連れてってくれねえか。

日本語のセリフでは省略されていますが
「帮帮」で「ちょっと手伝う」という
意味合いを表現してて
「彼女を連れていくのをちょっと手伝って」
というニュアンスになります。


このあとに、釜爺は千尋に対して
この様に言っています。

你自己去试试运气吧
nǐ zì jǐ qù shì shi yùn qì ba
自分で行って運を試しな

ここでもまた動詞の重ね型です。
「试试」で「ちょっと試す」「ちょっと試してみる」といったニュアンスになります。
この「试试」は、こちらのセリフでも使われています。


竜のハクに苦団子を食べさせるシーンです。

白龙,试试这个
bái lóng   shì shi zhè ge
ハク 

这是河神给我的丸子
zhè shì hé shén gěi wǒ de wán zi
これ河の神様がくれたおダンゴ

吃了也是许会有效,你快吃
chī le yě shì xǔ huì yǒu xiào   nǐ kuài chī
効くかもしれない、食べて

この「试试这个」に相当する日本語のセリフ、
ないんですよね。
なのでそのあとに続くセリフも
続けて記載したのですが、
「试试这个」の部分にセリフを入れるとしたら
「ちょっとこれ試してみて」って感じかな?
日本語にはもともとないセリフですが、
中国語ではあえて入れ込んでいます。


苦団子を食べさせるのに苦戦して
千尋は次のセリフを言っています。

白龙,我求求你,快吃
bái lóng   wǒ qiú qiu nǐ   kuài chī
ハク 、お願い、食べて

「お願い」の部分が「我求求你」になっていて
ここでも動詞を重ねています。
「ちょっと、お願い」って感じですか?
けっこう必死になって
お願いしてる感半端ないシーンですが
動詞重ねて軽い感じにお願いしちゃって
いいのかなーと、
ちょっと心配になります。

「求求」を使ったセリフは他にもあります。
エレベーターでリンが持っていたイモリの
クロヤキを従業員が欲しがる場面です。

求求你,给我一点点就好
qiú qiu nǐ   gěi wǒ yī diǎn dian jiù hǎo 
たのむ、ちょっとだけ

「たのむ」の部分ですね。
これは何となく分かります。
「ちょっとお願い!」って感じですよね。
軽いノリでけっこうだと思います。

この「求求」は
千尋が「ここで働かせてください」と
お願いするセリフでも使われていました。


最後にこのセリフ。

请她救救白龙
qǐng tā jiù jiu bái lóng
ハクを助けてくれるように頼んでみる

銭婆のところに行く決意表明をする場面。
「她」は銭婆のことを指しています。
「救救」で「ちょっと助けて」
または「ちょっと助けてみて」?
ここも動詞を重ねて「ちょっと〜」とか、
語気を和らげるとか、
そういう感じでいうセリフなのかな・・・

何だか分からなくなってきました。
動詞の重ね型だからといって、
日本語の「ちょっと〜する」に全てが相当する訳じゃないのかもしれません。。。

勝手なイメージですが
「求求」とか「救救」とか、
動詞×2で2倍になってるから
「軽い感じになる」というよりは
「いっぱいお願いする」「いっぱい助ける」っていうふうに見えませんか?
「求」と「救」に関してはその方がしっくりいくんですけど(笑)
勝手に解釈しちゃダメですよね。


動詞の重ね型は
他にもいっぱい使われていました。
日常でもよく使われるんでしょうね。
是非マスターしたい用法です。

ちなみに、発音するときは二つ目の動詞は
軽声になるようですね。