ジブリで中国語を学ぼう!

ジブリ映画の中国語吹き替えを聴いて中国語を勉強しています。

「让」を使った使役の表現

中国語の使役の表現は
「让」「叫」「使」「请」などを使います。
「〜させる」「〜してもらう」
というようなニュアンスを表します。

「主語A」+「让/叫/使/请」+「人B」
+「動詞フレーズ」
「AがBに〜させた(してもらった)」
という意味になります。

それぞれにニュアンスの違いがあります。
「让」は
「(その人の望み通りに)〜させてあげる」
「叫」は「言いつけて〜させる」
「请」は「〜してもらう」
「使」は「〜させる(非動作的)」


千と千尋」のセリフの中では
使役の表現はよく使われていましたが
ほとんどが「让」を使ったものでした。

まずはリンのセリフです。
カオナシが大暴れした後、
釜爺のところに千尋を探しに来た場面です。

汤婆婆说是你让他进来的
tāng pó po shuō shì nǐ ràng tā jìn lái de
湯婆婆は千が引き入れたって言うんだ

「汤婆婆说是〜的」の部分は
「湯婆婆は〜だと言っている」
ということを表しているので
この文で使役を表しているのは
「你让他进来」の部分になります。

「あなたが彼を入って来させた」
という意味になります。
「让」なので「入れてあげさせた」というようなニュアンスが含まれているのかもしれません。


次は千尋のセリフです。
カオナシが大暴れして追いかけられた後
「こっちだよ〜」とカオナシを呼び寄せて
リンに「呼んでどうすんだよ!」と言われた後です。

那个人在汤屋会变坏
nà ge rén zài tāng wū huì biàn huài
あの人湯屋にいるからいけないの

让他离开那里比较好
ràng tā lí kāi nà li bǐ jiào hǎo
あそこを出たほうがいいんだよ

「让」を使った使役の部分は
主語が省略されています。
「让他离开那里」で
「彼をあそこから離れさせる」となり
最後に「比较好」がついて
「〜の方が良い」という意味が追加されます。

日本語のセリフは使役は使っていませんが
中国語では使役の表現にして
「〜させる(させてあげる)」
というニュアンスを含ませています。


次は有名なあのセリフ。
千尋が湯婆婆にお願いする場面です。

求求你,让我在这里工作
qiú qiu nǐ ràng wǒ zài zhè li gōng zuò
ここで働かせてください

全く同じセリフが
釜爺のところでも使われています。
「求求你」は「お願いします」とう意味で
そのあとの「让」以下が使役の文になります。

「让我〜」というのはよく使うフレーズで
「私に〜させてください」
という意味になります。
より丁寧な言い方をしたいときは
「请让我〜」という言い方もあります。

セリフは「私をここで働かせてください」
となりますね。
千尋が釜爺や湯婆婆に何度もお願いする
有名なセリフです。

よかったらこちらも参考にしてくださいね。
 ↓ ↓ ↓
「ここで働かせてください」


最後は坊のセリフです。
銭婆のところから戻ってきて
千尋の父母を豚から人間に戻す戻さないで
湯婆婆が決まりだなんだと渋っていたら
坊に言われてしまいます。

如果你让小千哭
rú guǒ nǐ ràng xiǎo qiān kū
千を泣かせたら

我会开始讨厌
wǒ huì kāi shǐ tǎo yàn
バーバ嫌いになっちゃうからね

「如果」は仮定の表現です。
その後の「你让小千哭」が使役の表現です。
シンプルに「主語」+「让」+「人」+「動詞」の形になっていて分かりやすいです。

「哭」は「泣く」という動詞なので
「あなたは千を泣かせる」となります。
これに仮定が加わって
「もしあなたが千を泣かせたら」となります。

ここでは「泣く」という行為は
千尋の意に反していそうなので
「させてあげる」というニュアンスでは
なさそうですね。

「让」は「譲る」という動詞なので
「相手にゆだねる」というニュアンスとなり
「叫」は「命じる」という意味を持つので
主語の実行力が強いニュアンスになりますが
必ずしもこれにあてはまるわけではなく
「让」と「叫」が同じような使われ方をしたり
入れ替え可能な場合もあったりするようです。

「叫」を使った使役の表現も、少ないですが
千と千尋」のセリフで使われていました。
また別の機会に紹介したいと思います。