ジブリで中国語を学ぼう!

ジブリ映画の中国語吹き替えを聴いて中国語を勉強しています。

形容詞の重ね型

動詞の重ね型については以前触れました。
動詞の場合は重ねると
「ちょっと〜する」という意味合いに変わります。

動詞の重ね型「ちょっと〜する」

形容詞は重ねることで
物事の状態を説明し、強調する役割になります。
「的」を使って名詞を修飾したり
副詞的役割となり動詞を修飾したりして
ありありとその姿を描写します。

動詞の重ね型の場合は
2音節目の動詞は軽声になりましたが
形容詞の重ね型の場合は軽声にはなりません。


千と千尋」の中でもたびたび出てきます。
千尋が湯婆婆のところに行って
「働かせてください」とお願いし
くどくどとお説教をされる場面です。

难道你不怕我叫你做苦工
nán dào nǐ bú pà wǒ jiào nǐ zuò kǔ gōng
それとも一番つら〜いきつ〜い仕事を

慢慢折磨你 一直做到死为止
màn màn zhé mó nǐ yī zhí zuò dào sǐ wéi zhǐ
死ぬまでやらせてやろうか?

「折磨」は「苦しめる」という動詞です。
「慢」は「ゆっくり」という形容詞で
「慢慢」と重ねることで動詞を修飾できます。
「慢慢折磨你」で「あなたをゆっくりと苦しめる」という意味になります。
しかも「死ぬまでずっと」と続きます。
怖いですね・・


次は番台での場面。 
番台蛙が通りかかる神様たちに声をかけています。

啊,你要艾蒿浴啊
a    nǐ yào ài hāo yù a
あ、よもぎ湯ですね

请进,请慢慢享用
qǐng jìn   qǐng màn màn xiǎng yòng
どうぞごゆっくり

こちらも「慢慢」ですね。
「享用」は「楽しむ」というような動詞です。
「慢慢享用」で「ゆっくり楽しむ」です。


次のセリフは湯婆婆です。
大暴れしたカオナシのところに
呼び出された千尋がやってきて
「あいつをおだてて金を搾りとれ」と
千尋カオナシのところに送り出し
最後に言います。

请慢慢聊
qǐng màn màn liáo
ごゆっくり

「聊」は「雑談する」という動詞です。
またまた「慢慢」で
「ゆっくりおしゃべりする」
のような意味になります。

日本語のセリフでは先程の「请慢慢享用」と
同じ「ごゆっくり」となっています。
中国語の方が具体的ですね。
何を「ゆっくり」するかまで表現しています。



请多多指教
qǐng duō duō zhǐ jiào
よろしくお願いします

これは千尋湯屋で働くことが決まり
従業員たちに挨拶するときのセリフです。
「多」を重ねて動詞の「指教」を修飾します。
「たくさん指導をして下さい」という意味から
「よろしくお願いします」という決まり文句で使われます。

同じく「よろしくお願いします」の意味で
「请多多关照」というフレーズもあって
どちらも同じように使うようですが
「关照」は「面倒をみる」という意味なので
「请多多关照」は「お世話になります」
「请多多指教」は「ご指導お願いします」
というニュアンスの違いがあるようです。


次は二文字の形容詞の重ね型です。

オクサレ様が来た時に
千尋が大湯で世話をするように言われ
「あ・・あの・・」と言いかけたあと
湯婆婆に怒られます。

再罗罗唆唆让你当煤灰
zài luó luo suō suō jiù ràng nǐ dāng méi huī
しのごの言うと石炭にしちまうよ

快去
kuài qù
分かったね

2音節の形容詞ABの場合は
AABBという形になります。
この場合は2音節目だけ軽声になります。

「罗唆」は「くどい」という意味の形容詞で
重ね型は「罗罗唆唆」となり
「くどい状態」を表します。


千と千尋」のセリフでは使われてませんが
形容詞の重ね型は儿化する場合もあります。
 
 慢慢儿走 màn mānr zǒu (ゆっくり歩く)

意味は変わりませんが、
発音は2音節目が第1声に変わります。


日本語で話す時は
いちいち品詞を意識しないので
「形容詞が副詞的役割に変わる」と言われても
ただただややこしいだけです(汗)
慣れるしかないですね。