ジブリで中国語を学ぼう!

ジブリ映画の中国語吹き替えを聴いて中国語を勉強しています。

ご馳走にありつく場面

千と千尋」の大好きな場面の一つに
千尋のお父さんとお母さんがお店の料理を
勝手に食べてしまうシーンがあります。

ジブリ作品の食事シーンは
本当に美味しそうですよね。
天空の城ラピュタ」の目玉焼きがのったパン、
崖の上のポニョ」のハムが入ったラーメン、
ハウルの動く城」のベーコンエッグ、
風立ちぬ」のシベリア、
どれも映画を見終わった後は食べたくなります。

千尋のお父さんとお母さんが
神様のために用意されたご馳走を
ためらいもなく次から次へと口へ運び
その食べっぷりといったら
見ていてとても気持ちがいいです。

肉を食いちぎる様子や
ブヨブヨした謎のやつのジューシな感じとか
ホントに美味しそうに食べるなーと
私も一緒にあのカウンターに座りたいって
思っちゃいます。


カウンターにご馳走が並ぶ様子を見て
真っ先にお母さんが黄色い声を発します。

哇!这么丰富啊
wa   zhè me fēng fù a
わぁー、すごいわねー

千寻,你也过来
qiān xún   nǐ yě guò lái
ちひろもおいで

很好吃喔
hěn hǎo chī wō 
おいしそうよ


最初のセリフ「这么丰富啊」は
中国語吹き替えでもその興奮の様子が
とても伝わる言い方をしています。
お母さんの方が断然食いしん坊ですね。

「这么」は「こんなに」という意味で
「丰富」は「豊富だ」という形容詞です。
「こんなにいっぱい!」って感じだと思います。

この部分の字幕はこうなっています。

好丰盛哦
hǎo fēng shèng ò

「丰盛」は「豊かだ」「盛りだくさんだ」
という意味の形容詞です。
「丰富」と似たような意味ですね。
「丰」という言葉が「豊か」という意味を
持つようです。
「丰」の繁体字は「豐」なんですね。


そのあとの父と母のやりとりは
御馳走を目の前にして完全に
はしゃいじゃってますね。
気持ちわかります。

父:有这么多的好东西
  yǒu zhè me duō de hǎo dōng xi 
  そっちにいいやつが・・・

母:这卤的是什么鸡肉啊?
  zhè lǔ de shì shén me jī ròu a
  
これなんていう鳥かしら 

お母さんのセリフに出てくる「卤」というのが
あまり見かけない言葉です。
「にがり」とか「ハロゲン」という意味も
あるようですが
料理でも使われる言葉で
塩水に調味料を入れて煮たり、
醤油で煮ることをあらわしたり
肉や卵のスープにとろみをつけたもの
(あんかけ)を言ったりもするようです。

ここではお母さんが大きい鶏肉の塊を
手に取って言うセリフなので
あんかけのような料理を指すのではなく
鶏肉を煮たものを表してるようです。


このあと千尋が「お店の人に怒られちゃうよ」
と心配して言っても
まるで聞く耳持たずに食べ続けます。

母:千寻也来吃点嘛
  qiān xún yě lái chī diǎn ma 
  
ちひろも食べな

  连骨头都好软耶
  lián gǔ tóu dōu hǎo ruǎn ye
  骨まで柔らかいよ

父:芥末
  jiè mò
  辛子

母:谢谢
  xiè xie
  
ありがとう

「连骨头都好软耶」の部分ですが
「连」は「〜さえも」という意味の前置詞で
「连〜都〜」で「〜さえも〜」
という使い方をします。
「骨さえも柔らかい」となります。

さっきの「卤」の鶏肉を引き続き食べながら
このセリフを言ってるので
「卤」の鶏肉が骨まで柔らかいってことに
なりますね。
骨まで柔らかい鶏肉、食べてみたいです。

そのあとの「芥末」は
辞書には「からしの粉末」と載っていますが
日本でいう「からし」と同一のものを指して
いるのか分かりません。
ネットでググってみると
「わさび」と記してあるものもあったりして
謎が深まってます(私の中で)。

ちなみにこの部分の字幕はこうなってます。

辣椒
là jiāo

これは唐辛子のことですね。
辛子よりも唐辛子の方が
中国では馴染みのある調味料かもしれませんね。

この場面で
お父さんが小瓶から取り出してる調味料は
黄色い物体になってるので
正解は「からし」なんでしょうけど
からしでも、わさびでも、唐辛子でも
あまりここでは大きな問題ではないですね。


このあとの二人の食べっぷり
謎のブヨブヨとか、角煮っぽいのとか
とにかく美味しそうに食べるので
ずっと見ていたくなる場面です。

このくだりで一番使えそうなセリフは
「哇!这么丰富啊!」かな?
お食事に招待されて品数が豊富だったら
使ってみたいです。