ジブリで中国語を学ぼう!

ジブリ映画の中国語吹き替えを聴いて中国語を勉強しています。

ナウシカの中国名について

題名の「風の谷のナウシカ」は中国では
 风之谷 fēng zhī gǔ 
という題名になっています。
ナウシカ」が省略されてますね。

物語の内容としては「ナウシカ」に
クローズアップしたいところですが
「風の谷」の物語でもあるので
中国名の「风之谷」も悪くないかもしれません。


登場人物の名前ですが
ほぼ全員に言えることは
「名前は発音からの当て字で作られている」
ということです。
外来語でよく見られるアレですね。

贝多芬( bèi duō fēn )
「ベートーベン」とか
麦金多什(mài jīn duō shén )
マッキントッシュ」とか。


主人公の「ナウシカ」ですが
中国語の表記は
 娜乌西卡 nà wū xī kǎ
となっています。

発音はカタカナ表記でするとしたら
ほぼ「ナウシカ」なのでいいのですが
四声もこの当て字どおりで発音するので
それは違和感でしかありません。
名前を呼ぶセリフを聞くたびに
「言いにくそうだな〜」とか思ってしまいます。
日本人的な視点で勝手に思ってるだけですが(笑)

そもそもナウシカ のことを
ナウシカ」と呼ぶのは
父親のジルと、ユパと、大ババ様と、
アスベルくらいで
それ以外の人は「ナウシカ」とは呼びません。

大半の人は「姫様」と呼んでいますよね。
この「姫様」を中国語では
 公主 gōng zhǔ 
と表現しています。

「公主」って漢字では「おおやけの主」なので
日本語のイメージでは
「王様」っぽい感じもしますが
中国語で「公主」は
「王女」「皇女」という意味だそうです。
ちなみに「王様」は中国語で
「国王」や「大王」と言います。

大半の登場人物が
ナウシカ のことを「公主」と呼ぶので
吹き替え版で聴いていると
この言葉をしょっちゅう耳にしますが
それが「コンチュウ」と聞こえるので
「昆虫」が勝手に私の頭の中を
飛び回ってます(笑)
虫の話なので悪くはないのですが。。


ちなみに「王蟲(オウム)」は中国語では
 王虫 wáng chóng
と表現しています。

これは日本語の漢字をそのまま
中国語読みしたものですね。
日本語表記では
オウムは「王蟲」となっているし
中国語字幕も繁体字なので
王蟲」となっていますが
簡体字表記では「王虫」となります。

この言葉もかなり頻回に登場するので
「コンチュウ」と「ワンチョン」が
どっちがどっち
「コンチュウ」は「昆虫」だけど
虫じゃなくて・・とか(笑)
さすがにもう、何回も聞いてるので
慣れましたけどね。

「オウム」は発音の当て字じゃ
ないのかーとか思いましたが
日本語が漢字表記されてるものは
やっぱり漢字の中国読みになるんですね。


風の谷の女の子たちは
ナウシカ のことを「姫姉様」と呼びますが
中国語では
 公主姊姊 gōng zhǔ zǐ zǐ 
と呼んでいました。

「姊姊」は「お姉さん」のことですが
「姐姐」の方が一般的によく聞くので
「姊姊」は馴染みがありませんでした。
台湾の方ではよく使われるようですが
普通話では最近ではあまり使われていないようです。

「公主姊姊」が「公主姐姐」じゃないのは
何ででしょうね。
訳者が台湾の方なのか?
古い感じを出したかったとか?
いや、「姊姊」で古い感じが出るのかどうかも知りませんが。
日本語で言うところの「姉上」とかみたいな
そんなニュアンスの違いがあったりするのかなーって。
無いか。。。


真意は分かりませんが
「姊姊」という言い方があることだけは
覚えました。

「姐姐」と意味の違いはないようですが
台湾では「姊姊」は血縁あり、
「姐姐」は血縁なし(親しみを込めて〇〇姉さん)という使い分けもあるようです。

だとすると、
ナウシカはみんなの姫姉様ではあるけれど
そこに血縁関係はなさそうなので
謎はますます深まるばかり・・・