「伤脑筋」で「頭を悩ます」
「風の谷のナウシカ」の中で
気になる言葉がありました。
「伤脑筋」という言葉です。
「傷」と「脳筋」で
「脳の筋肉が痛む??」と思いましたが
そういう意味ではないようです。
というか、脳みそは筋肉ではないですよね。。
「脑筋」は「脳の筋肉」ではなく
①頭、頭脳
②意識、物事の考え方
という意味になるようです。
「伤」は動詞で
「傷付ける」「損なう」という意味で
「伤脑筋」で「頭を悩ます」という意味になります。
「頭」なので日本語の感覚だと
「头」を使いそうですが
「脑」という言葉自体が「脳みそ」の他に
「思考」「頭脳」という意味も持っているようなんです。
「电脑」で「パソコン」だし
「老脑筋」で「古い考え」
「换脑筋」で「頭を切り替える」
というような使い方もするようです。
ナウシカではこのような場面で使われていました。
ユパ様が風の谷に到着した際に
トエトという女性が
「姫様のように丈夫に育ちますように」と
ユパ様に赤ちゃんの名付けをお願いします。
その時にミトがナウシカのお転婆ぶりについて話します。
公主的确是强壮又健康
gōng zhǔ de què shì qiáng zhuàng yòu jiàn kāng
丈夫というなら姫様は折り紙付きじゃ
不过・・・
bú guò
だが
像她那样爱去腐海玩可就伤脑筋啰
xiàng tā nà yàng ài qù fǔ hǎi wán kě jiù shāng nǎo jīn
腐海遊びまで似ると困るぞ
「像〜那样」は「〜のように」
「爱」は「〜するのが好きだ」
「可就」は「〜したらそれこそ」
セリフの最後の一文を直訳すると
「姫様のように腐海に遊びに行くのが好きだとそれこそ頭を悩ますことになる」
というような感じになります。
日本語のセリフの「困る」の部分が
「伤脑筋」で表現されているということになりますね。
この「伤脑筋」を使ったミトのセリフは
字幕ではこのように表現されていました。
不过可别像她一样爱去腐海玩
bú guò kě bié xiàng tā yī yàng ài qù fǔ hǎi wán
「しかし姫様のように腐海遊びを好きにならないでください」
というような意味になり
日本語のセリフや中国語吹き替えとは
ちょっとニュアンスが変わりますね。
この「伤脑筋」はこんな風にも使います。
这件事真伤脑筋
zhè jiàn shì zhēn shāng nǎo jīn
(この件は本当に頭が痛い)
伤脑筋的情况
zhè jiàn shì zhēn shāng nǎo jīn
(頭を悩ませる状況)
伤了很久的脑筋
shāng le hěn jiǔ de nǎo jīn
(長いこと頭を悩ませた)
3番目の例文のように
間に何かが入っちゃうやつは苦手です(汗)
離合詞とかもそうですが
動詞と目的語の間にいろいろ入るパターン
なかなか慣れないですね。。。
体の部分を使った言葉は
日本語でも中国語でもいろいろありますが
比較しながら覚えていったら
おもしろいかもしれません。