ジブリで中国語を学ぼう!

ジブリ映画の中国語吹き替えを聴いて中国語を勉強しています。

「也许」と「或许」

推量・推測を表したい時、
中国語ではいろいろな表現があります。

「也许」「或许」「容许」「兴许」「或者」
「可能」「恐怕」などなど。

その中でも今回は
風の谷のナウシカ」のセリフの中で出てきた
「也许」「或许」について書こうと思います。


まずはナウシカがペジテの船に監禁され
ラステルの母が助けに来てくれた場面です。

快点回去通知风之谷的村民
kuài diǎn huí qù tōng zhī fēng zhī gǔ de cūn mín 
谷へ知らせに行って

用你的滑翔翼
yòng nǐ de huá xiáng yì 
あなたの凧なら

也许还来得及
yě xǔ hái lái de jí 
まだ間に合うかもしれない

ラステルのお母さんのセリフです。
心暖まるシーンですね。

「也许」は「もしかしたら〜かもしれない」
という意味の副詞です。
「也许」の後に「还来得及」がきて
「もしかしたらまだ間に合うかもしれない」
という意味になります。

「来得及」は「間に合う」という意味で
「動詞+可能補語」という構図になっています。


この部分の字幕では
違った表現になっていました。

撘你的滑翔翼
dā nǐ de huá xiáng yì 

应该能及时赶到
yīng gāi néng jí shí gǎn dào 

「及时」は「すぐさま」「時を移さず」、
「赶到」は「間に合うように到着する」で
こちらは「動詞+結果補語」になります。

「应该」は「〜すべきだ」という
当然の意味で使う場合と
「〜はず」という推測を表す用法がありますが
ここでは推測の方で使っています。
「間に合うはずだ」というニュアンスになります。

吹き替えの方の
「間に合うかもしれない」と比べると
印象がだいぶ変わりますね。
字幕の方が強い意志や願いを感じます。


もうひとつは
ペジテ市長とナウシカが言い合ってる場面です。
監禁される少し前ですね。
市長の勝手な言い分です。

こちらは吹き替えではなくて
字幕の方で出てきました。

你现在或许感到很痛苦
nǐ xiàn zài huò xǔ gǎn dào hěn tòng kǔ 
今はつらくても

不过只要夺回巨神兵
bú guò zhǐ yào duó huí jù shén bīng 
巨神兵を取り戻せば

烧毁腐海
shāo huǐ fǔ hǎi 
腐海を焼き

就可以夺回人类的世界
jiù kě yǐ duó huí rén lèi de shì jiè 
人間の世界を取り戻せるのだ

こちらのセリフでは「或许」を使っています。
「或许」も「也许」と同じで
「もしかしたら〜かもしれない」という意味で使います。

「你现在或许感到很痛苦」の部分は
「もしかしたらあなたは今つらいかもしれない」となります。

その次の「只要」は
「〜しさえすれば」という意味なので
「しかし巨神兵さえ取り戻せば」と続きます。

この部分、吹き替えではこうなっていました。

虽然你现在很痛苦
suī rán nǐ xiàn zài hěn tòng kǔ 

但是只要夺回巨神兵
dàn shì zhǐ yào duó huí jù shén bīng 

こちらは「虽然」を使って表現しています。
「虽然〜但是・・」で「〜であるけれど・・」となります。

「虽然你现在很痛苦」の部分は
「あなたは今苦しんでいるけれど」となり
次のセリフにつながります。
こちらは推量ではなく譲歩の表現になっています。

もともとの日本語のセリフが
「今はつらくても」なので
推量でも譲歩でも
どちらでも違和感ないですね。


同じ日本語のセリフでも
中国語ではいろいろな訳し方ができて
なかなか興味深いです。

 

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