軍隊とかの「はっ!」っていう返事
戦争映画とか、時代劇とか、
上官や将軍に何か命令や指示を受けたときに
「はっ!!」って返事しますよね。
「はい」じゃなくて「はっ!!」ってやつです。
英語だと「イエス・サー」とか
「アイ・サー」とか「アイアイサー」
とかに当たるのかな?
そういう硬い感じの返事、
「了解!!」みたいなニュアンスの返事が
「ナウシカ」の中でもたびたび出てきます。
戦闘シーンもあるし、
世界観がちょっと時代を感じる部分もあるので
そのような言い回しが使われていても
違和感ないですよね。
その「はっ!!」の部分、
中国語ではどのように吹き替えられて
いるのでしょうか。
まずはクシャナとクロトワのやりとりです。
クシャナ:我要先回培吉特
wǒ yào xiān huí péi jí tè
私はペジテに戻る
你在这里尽全力让巨神兵复活
nǐ zài zhè li jǐn quán lì ràng jù shén bīng fù huó
留守中巨神兵の復活に全力を注げ
クロトワ:尊命
zūn mìng
ハッ!
「ハッ!」の部分、
中国語では「尊命」となっていました。
「尊命」は「命令に従う」という意味の動詞で
尊敬語に当たり、
「仰せに従います」
「おっしゃる通りにいたします」
のようなニュアンスの言葉になります。
次は、クロトワが兵士に命令を出す場面です。
クロトワ:把留在培吉特的军队
bǎ liú zài péi jí tè de jūn duì
ペジテに残る兵力を
全部集到这个山谷来
quán bù jù jí dào zhè ge shān gǔ lái
すべてこの谷に集結させろ
兵士:尊命
zūn mìng
ハッ!
ここでも同じような使い方です。
上官に命令されて返事するパターンですね。
次はトルメキアの船が襲撃されて
ナウシカとミトが
コルベットで脱出をはかる場面です。
ナウシカ :米特,快点
mǐ tè kuài diǎn
ミト、早く!
ミト: 好
hǎo
はい!
ナウシカ :发动引擎
fā dòng yǐn qíng
エンジン始動!
用大炮把门轰开
yòng dà pào bǎ mén hōng kāi
砲で扉を破る!
ミト: 尊命
zūn mìng
はい!
トルメキアの人達は軍国主義なので
いかにもって感じですが
ミトもナウシカに対して
こういう返事をするんですね。
日本語では「はっ!」ではなく
「はい!」という普通の返事の部分です。
中国語の「尊命」は
軍隊的なイメージを勝手にもっていましたが
そういうわけではないのかもしれません。
でも日常で使われているのかどうかは
不明です。
いや、上司に何か指示を出されて「尊命」とか言わなそうですよね。。。
注目すべきはそのひとつ前のミトの返事です。
こちらも日本語では
同じ「はい!」のセリフですが
中国語吹き替えでは「好」になっていて
この部分の中国語字幕は「是的」となっています。
同じ「はい」でも
「尊命」「好」「是的」
と三つ出揃いました。
「尊命」は何か指令を出された時の
返事っぽいので
「ミト、早く!」は
促していますが指令っぽくないので
「尊命」ほど硬い返事じゃないのかな?
と想像できます。
「好」と「是的」の違いはなんでしょうね。
私の勝手なイメージだと
「是的」は同意、「好」は賛同っていう感じで
ちょっとテンションが違うような気がしますが
実際はどのくらいのニュアンスの違いがあるのかわかりません。
最後はバージを救出するために
腐海の森に不時着した場面です。
ナウシカ :准备逃生绳
zhǔn bèi táo shēng shéng
予備のロープを早く
ミト: 是
shì
はい
ナウシカ :米特,把钩子修好
mǐ tè bǎ gōu zi xiū hǎo
ミト、フックを直して
ミト: 尊命
zūn mìng
はい
ここでもナウシカの言葉に対して
ミトが「尊命」と答えています。
もう一方では「是」と答えているので
また同じ「はい」なのに
返事を使い分けています。
「予備のロープを早く」
「フックを直して」
それぞれ同じようなノリで
指示を出してるように思えるので
なぜ一方が「尊命」でもう一方が「是」なのか
謎は深まるばかりです。
あまり深い意味はないのでしょうか。
ここの「是」は
字幕では「是的」となっています。
「是」と「是的」の違いもまた謎いです。
「好」と「好的」とかも・・。
微妙なニュアンスの違いがあるんでしょうね。
私は中国にいた頃は
何でもかんでもとりあえず相槌打つときは「好」を言ってましたが(汗)
これも全てにおいて
合っていたとは限りませんね。
中国語に不慣れな外国人がまた変な返事してるって思われていたかもしれません(笑)
ただ、「尊命」は使ったことはなかったし
聞いたこともありませんでしたね。