ジブリで中国語を学ぼう!

ジブリ映画の中国語吹き替えを聴いて中国語を勉強しています。

「必须」と「务必」

前に「不必」について書きました。
「〜する必要がない」という意味の助動詞です。

「不必」の用法

今回は「不必」の反対の意味で使われる言葉
について書こうと思います。

ひとつ目は「必须」という言葉です。
「必ず〜しなければならない」
という意味の助動詞です。
義務や責任、目的を果たすために
必ずしなければならない強い意志を表します。

ナウシカ」の中では
ペジテの市長のセリフの中で出てきます。
王蟲に谷を襲わせる目的として
次のようなことを語っています。

无论如何我们都必须在巨神兵复活之前
wú lùn rú hé wǒ men dōu bì xū zài jù shén bīng fù huó zhī qián
どうあっても復活する前に

把它给抢回来
bǎ tā gěi qiǎng huí lái 
巨神兵を取り戻さなければならないのだ

「无论如何」は「どうあっても」
「何が何でも」という意味です。
「必须」があるので
「必ず〜しなければならない」
ということを表し
把構文で語順が入れ替わっていますが
「抢回来」の「取り戻す」という動詞に
かかっています。

この部分の字幕では「必须」は使われずに
違った表現になっています。

我们一定要在巨神兵复活前
wǒ men yī dìng yào zài jù shén bīng fù huó qián 

将它抢回来
jiāng tā qiǎng huí lái 

「必须」の部分は
「一定要」で表現されています。
「一定」は「必ず」「きっと」という副詞、
「要」は「〜すべきだ」「〜しなければならない」という助動詞です。
合わせると
「必ず〜しなければならない」となるので
ニュアンスは近くなりそうですね。

「将」はここでは前置詞として使われていて
「把」と同じように使われますが
「将」は主に書き言葉で使われるようです。


「不必」の反対の意味の言葉として
ナウシカ」の中で使われていたもうひとつは
「务必」という言葉です。

「务必」も「必ず〜しなければならない」
という意味の副詞で
私の辞書には「必需」「一定要」と
同義語であると記されています。

「请」と合わせて使われることも多いようです。
よく注意書きなどで
「请务必〜」という表記を見かけますが
「必ず〜してください」
という意味になるようです。


ナウシカ」の中では
クシャナのセリフで使われています。
ペジテに連れて行く人質について
話している場面です。

人选你们自己决定
rén xuǎn nǐ men zì jǐ jué dìng 
人選は任せる

明早出发以前务必准备就绪
míng zǎo chū fā yǐ qián wù bì zhǔn bèi jiù xù
明朝の出発までに準備を完了しろ

「准备」は「準備する」という動詞、
「就绪」は「(準備などが)整う」
「軌道に乗る」という意味の動詞です。
「务必准备就绪」で
「準備を整えなければならない」となります。


この部分の字幕はこうなっています。

明晨出发前要准备就绪
míng chén chū fā qián yào zhǔn bèi jiù xù 

「务必」の部分は「要」で表現されています。
「〜しなければならない」という
助動詞の「要」ですね。
「明晨」は「明朝」と同じ意味になります。


「〜しなければいけない」という中国語は
「要」「需要」「应该」「得」など
いろいろあります。

「要」「需要」は主観的な必要性、
「应该」は道理的、常識的に、
「得」はやむを得ずという義務的に、
といったようなニュアンスの違いが
それぞれあるようです。

それらと比べて「必须」や「务必」は
強制的なニュアンスが強い印象になります。
語気が強いので内容や話し方によっては
命令口調に聞こえるかもしれません。



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