ジブリで中国語を学ぼう!

ジブリ映画の中国語吹き替えを聴いて中国語を勉強しています。

「ますます〜」という表現

中国語で「ますます〜」「だんだん〜」
という意味を表す言葉に
「越来越 yuè lái yuè 」
という表現があります。

この「越来越」は副詞として使われ
後ろには動詞または形容詞がきます。
「ますます(だんだん)〜である」
という感じになります。

千と千尋」のセリフの中でも
使われていました。

カオナシが金をばらまいたため
湯屋の人達は大喜びで接待をしていたのですが
従業員が食べられたことで状況が一変します。
その時の湯女のセリフです。

他变得越来越大了
tā biàn de yuè lái yuè dà le
ヒャ〜!ますます大きくなってるよ

好可怕
hǎo kě pà
やだ

我不想被吃掉
wǒ bù xiǎng bèi chī diào
あたい食われたくない

「越来越大了」で
「ますます大きくなった」
という意味になります。
この「了」は状態の変化を表しています。
「得」を使って動詞の「变」を
後ろから修飾しています。
直訳すると「彼はますます大きく変化した」
となります。

日本語の「やだ」のセリフが
「好可怕」となっていて
「怖い」の意味になっています。
物語の流れとしてはとても自然です。
直訳しか思いつかない私からしたら、
こういう翻訳の仕方ができるのって
すごいなーと思います。


次は釜爺のセリフです。
竜のハクに苦団子を食べさせて
ハクが人間の姿に戻った後、
釜爺がハクの生い立ちについて語る場面です。

最后他还是成了魔女的徒弟
zuì hòu tā hái shi chéng le mó nǚ de tú dì
とうとう湯婆婆の弟子になっちまった

脸色越来越难看
liǎn sè yuè lái yuè nán kàn 
そのうちどんどん顔色は悪くなるし

眼神越来越凶恶
yǎn shén yuè lái yuè xiōng è
目つきばかりきつくなってな

この「越来越」を使ったふたつの文、
なんだか韻を踏んでいるようで
すごくいい感じだと思いませんか?
日本語だとそういう感じはしませんが
中国語の方は
キレイに収まってるなーと感じます。
このセリフを釜爺がしみじみと語るのが、
またいいんですよ。
テンポがとてもいいです。

「越来越」はそれぞれ
「难看」「凶恶」の形容詞を修飾しています。
顔色の方は日本語では
「どんどん」と表現していますね。
目つきの方は「ますます」のような言葉は
使っていません。


「越来越」の「来」の部分に
別の言葉を入れることもできます。
「越○越〜」の○の部分に形容詞か動詞が入り
「○であればあるほど〜だ」
という意味合いになります。

例えば
这个猫越看越可爱
この猫は見れば見るほど可愛い

蛋糕越大越好
ケーキは大きければ大きいほどいい

このように使います。
千と千尋」では
「越来越」しか使われていませんでしたが
覚えておくといろいろ使えそうですね。

汉语越学越有意思
中国語は勉強すればするほどおもしろいです。