ジブリで中国語を学ぼう!

ジブリ映画の中国語吹き替えを聴いて中国語を勉強しています。

「ぐずぐずするな!」とせかす言葉

湯婆婆のセリフでたびたび出てくる
言葉があります。

 慢吞吞 màn tūn tūn

「ゆったりしている、のろのろしている」
という意味で
形容詞的な使い方をします。
よく使われる言葉なんでしょうか。
セリフの中ではこの様に使われています。


千尋湯屋で働くことが決まり
契約書にサインをする場面です。

名字就写在这里吗?
míng zi jiù xiě zài zhè li ma 
あの、名前ってここですか?

对,不要慢吞吞的
duì   bú yào màn tūn tūn de
そうだよ、ぐずぐずしないで

「慢吞吞」を「ぐずぐずする」の意味で
使っています。
こんなこと言われて、
千尋はあわあわしちゃいましたよね。


次はオクサレ様の場面。
千尋がオクサレ様に
トゲが刺さってることに気がつき
とげにロープを結びつけるシーンです。

リン:你抓紧喔
   nǐ zhuā jǐn wō
   しっかり持ってろ
 
千尋
   ò
  
 はい!

湯婆婆:不要慢吞吞的
    bú yào màn tūn tūn de
    ぐずぐずするんじゃないよ

   女人多用点力
    nǚ rén duō yòng diǎn lì
    女も力を合わせるんだ

こちらも先ほどのセリフと全く同じで
「ぐずぐずする」ですね。

ちなみに先ほどのセリフとこちらのセリフ、
どちらも字幕ではこうなっています。

 别慢吞吞的
 bié màn tūn tūn de

「不要」が「别」になっています。
意味としては変わりませんが
ニュアンスとしての違いはどうなんでしょう。
なんとなく、
「别」の方がきついイメージがあります。
また「别」の方が口語的という意見も
聞いたことがありますが
実際のところ、どのくらいニュアンスに
違いがあるのか分かりません。


もう一つのセリフは
カオナシが大暴れして、
リンが「湯婆婆が探してたぞ」と千尋に伝え
千尋が湯婆婆に会いに行く場面です。

你还在慢吞吞什么这样
nǐ hái zài màn tūn tūn shén me  zhè yàng 
何をぐずぐずしてたんだい!

こちらも「ぐずぐず」でした。
こちらは前のふたつと違って
「慢吞吞」に「的」がついてませんね。
字幕ではちょっと違う表現になってます。

你怎么慢吞吞的?
nǐ zěn me màn tūn tūn de

字幕の方がシンプルで分かりやすい構文になってますね。


いずれのセリフも
「ぐずぐずする」の日本語を中国語に訳したものが「慢吞吞」になっていました。
なんとなく、上から目線な感じのする言葉なのかもしれませんね。
「ぐずぐずする」「のろのろする」
というような感じなので
大人が子どもに言ったり、
上の立場の人が下の立場の人に使う
言葉なのかもしれません。

使い方によってはパワハラになりかねないので要注意ですね。
湯婆婆は完全にパワハラです(笑)

余談ですが
「慢慢吞吞」という言葉もあるようで
辞書には形容詞として
「のろのろしている、ゆっくりだ」とあり
「慢吞吞」と違いはなさそうです。
「慢慢吞吞」の同義語として、
「慢吞吞」が記載されていました。
他にも「慢慢腾腾màn màn téng téng 」
「慢腾腾màn téng téng」も同義語のようです。
似た様な言葉がいろいろあるんですね。