ジブリで中国語を学ぼう!

ジブリ映画の中国語吹き替えを聴いて中国語を勉強しています。

「なんちゅうもろい船じゃ」のセリフ

風の谷のナウシカ」の中で
いくつもの名言がありますが
ミトの名言といったらやっぱりあれです。

ナウシカが人質として乗っていた
トルメキアの船が
ペジテのアスベルに襲撃されたシーンで
トルメキアの船が次々と爆破されるさまを見て
ミトが言うあのセリフです。

「なんちゅうもろい船じゃ」

軍事国家で強大な国である
トルメキアが有する船が
アスベルのガンシップ一機の攻撃に
あっけなく撃墜されるって・・・
ミトじゃなくてもつぶやきたくなります。

このセリフ
なんとなく印象に残ります。
ミトの言い方がまた
共感できるのかもしれません。
「なんちゅう」っていう感じとか。

この部分の中国語はこうなっています。

这些船舰也太脆弱了吧
zhè xiē chuán jiàn yě tài cuì ruò le ba 
なんちゅうもろい船じゃ

「舰」は「艦」の簡体字になります。
「船舰」は調べても出てこなかったのですが
「舰船」という言葉は
「軍用および民間の船舶の総称」
を表すようです。
 
私が書き間違えたのかもと思い
ブルーレイで再度確認してみましたが
ナウシカの方ではやはり
「舰船」ではなく「船舰」となっていました。

「船舰」という言葉があるのか分かりませんが
とりあえず、
意味は同じようなことだと思うことにします。

「这些」の「些」は複数の船を表しています。
日本語では単数と複数の区別は
あまりされないことが多いですが
直訳するとしたら
「これらの船」とか「この船たち」とか
そんな日本語で複数感を出すんでしょうか。

「脆弱」は「もろい」「脆弱だ」
という意味の形容詞で
「太〜了」は「あまりにも〜すぎる」
「とても〜だ」という表現になります。
「太脆弱了」で「あまりにももろすぎる」
となります。

ミトの「なんちゅう」という部分、
きれいな言葉で言うなら
「なんとまあ」という感じなので
「太〜了」の部分が「なんちゅう」に
あたると考えて良さそうですね。

語尾の「吧」は語気を和らげる役割や
「提案」「同意」「推測」
などの意味を示したりします。
「なんちゅうもろい船じゃ」の
「じゃ」の部分のニュアンスを
表しているのかな?と思います。

「なんちゅうもろい船じゃ」という
なんとなく親近感が湧くような
言い方のセリフですが
中国語で表現すると
わりと普通ぽいな、という印象。
(私の個人的な感想です)

あと、日本語でのこの場面では
無線から聞こえてくる
「ワレソウサフノウ」という言葉と
ミトのこのセリフが少しかぶっているのですが
無線の声は小さいので
ミトの「なんちゅうもろい船じゃ」
というセリフがよく聞こえます。

一方、中国語吹き替えでは
この「ワレソウサフノウ」という部分は
無線から聞こえるという演出ではなく
声の大きさや聞こえ方から
近くの兵士が叫んでいるように
吹き替えられています。

「三号舰无法操纵,无法操纵」

この中国語のセリフと
ミトのセリフが思いっきりかぶってるので
とても聞き取りづらくなっています。

こういう演出の違いもあり
中国語吹き替えではこのミトのセリフは
ほとんど存在感のない台詞になってるように
感じました。


ミトのセリフの字幕はこうなっています。

这些船舰太脆弱了吧
zhè xiē chuán jiàn  tài cuì ruò le ba 

ほとんど一緒です。
吹き替えではあった「也」が無くなっただけです。

吹き替えのこの「也」は
「〜も」という意味で使うとしたら
「これらの船もあまりにももろすぎる」
というように
「船」に「も」がつくんだと思いますが
何に続く「も」なんでしょうか。
日本語のセリフだと
「も」のニュアンスはないのですよね。
いくつもの船が墜落していってるので
それを表現するために「也」が使われているのでしょうか。

吹き替えにはあって、字幕にはなくて
どちらでも意味が成立するのなら
あまり重要な「也」ではない、
と思うことにします。

こういう細かいところの疑問が
解消しないままモヤモヤっていうのは
語学を勉強していると
ホント、毎度のことのように思います。。。

以前、この部分の戦闘シーンについて
書いたことがあります。
良かったらこちらも参考にしてみて下さい。
 ↓ ↓ ↓

戦闘シーンの中国語吹き替え



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