ジブリで中国語を学ぼう!

ジブリ映画の中国語吹き替えを聴いて中国語を勉強しています。

「ユパ様」の呼び方がナウシカだけ違う

風の谷のナウシカ」の登場人物で
冒頭に登場するのがユパ様ですね。
最初こそ王蟲に追われてピンチでしたが
その後の活躍は素晴らしいです。

ユパ様、あの貫禄でまさかの45才っていう
ちょっと前にネット上でざわついてました。
うちの旦那様よりも若いです。
ヒゲかな?ヒゲのボリュームのせいかな?
いや、生き様とかも含めて45才すごいです。

ユパ様の中国名ですが
ナウシカと同様、音からの当て字のようです。

 犹巴 yóu bā 

ユパ様のことを「ユパ」と呼ぶのは
ジル(ナウシカの父)と大ババ様くらいです。
あ、あとトルメキア兵が
「ユパだ!」とか言って呼び捨てしてました。

一度だけフルネームでセリフの中に登場します。
トルメキアのクシャナのセリフです。

你就是边境第一剑士
nǐ jiù shì biān jìng dì yī jiàn shì
辺境一の剣士

犹巴・米拉尔达吗?
yóu bā mǐ lā ěr dá ma  
ユパミラルダとはそなたのことか

何だかこのセリフ好きです。
あのクシャナが敬意を払っているって
よっぽどすごい人なんだなーとわかる場面です。

 犹巴米拉尔达 yóu bā mǐ lā ěr dá

素朴な疑問ですが、日本人なんですかね?
日本人とか、そういう概念はないか・・・
火の七日間で燃え尽くされたし
国のあり方が変わっていますよね、きっと。
名前が西洋風なのでちょっと気になっただけです。

谷の人たちはジルと大ババ様以外は
みんな「ユパ様」と呼びます。
中国語ではこのように訳されています。

 犹巴大师 yóu bā dà shī 

「大师」は学問、芸術の分野で
尊敬されている人のことをいうそうです。
大家とか巨匠とかマスターとか。
僧に対する尊称としても使われるようですが
こちらはどうなんでしょう、
ユパ様、僧って感じではなさそうですよね。

あちこち旅をして
あらゆる分野で知識を深めていそうなので
尊敬してみんなから「大师」をつけて
呼ばれていたのかもしれません。

日本語ではナウシカもみんなと同じように
「ユパ様」と呼んでいます。
ところが不思議なことに
中国語吹き替え(字幕も)だと
ナウシカだけ違う呼び方をしているんです。

 犹巴老师 yóu bā lǎo shī 

「老师」は「先生」の意味です。
学校で勉強を教える教師や、
何か専門的な知識や技術などを教える立場の
人のことをいいます。

どうしてナウシカだけ
ユパ様のことを「先生」と呼ぶのでしょうね。
ジルとユパは昔からの友人で親しいようなので
ナウシカが小さい頃からユパにいろいろと
教えてもらったのかもしれません。

谷の人々にとっては
ユパ様は「博識で尊敬すべき存在」ですが
ナウシカにとっては
もう少し近い存在なんだと思います。
いろいろなことを教えてくれる
先生のような存在なのかもしれません。

それにしても、オリジナルではナウシカ
「ユパ様」って呼んでるのに
中国語吹き替えでどうしてあえて
区別するのか、それも謎です。

実は「風の谷のナウシカ」の原作漫画の方では
ナウシカはユパのことを
ほとんどは「ユパ様」って呼びますが
何回か「先生」って呼んだりもしているんです。

もしやこれか?と思いました。
もしそうだとすると、
中国語吹き替えの担当者は(字幕の担当者も)
ナウシカの原作を読んでいるコアなファン
なのでは?とちょっと嬉しくなりました。
または翻訳するにあたって
原作にも目を通す勉強熱心な人か。

どちらにしても、
なんかちょっと嬉しいですね。
私の勝手な想像なので、
全くの見当違いってこともありますが(笑)
でも、どんな理由があったとしても
(実は大した理由がなかったとしても)
日本語ではナウシカはみんなと同じで
「ユパ様」って呼んでいるのに
中国語ではあえてナウシカだけ
違う呼び方させるところに
ちょっとしたこだわりを感じずには
いられません。