ジブリで中国語を学ぼう!

ジブリ映画の中国語吹き替えを聴いて中国語を勉強しています。

ナウシカに出てくる成語③

風の谷のナウシカ」に出てくる
成語の第3弾です。
第1弾〜第2弾はこちらです。
 ↓ ↓ ↓
ナウシカに出てくる成語①
ナウシカに出てくる成語②

前回はクロトワの独り言の中に出てくる
成語について書きました。
今回も引き続きクロトワのセリフです。

巨神兵復活の準備を見回る場面で
トルメキアの兵士から
クシャナが乗る艦隊が全滅したと
報告を受けたあとの
クロトワのセリフです。

原本没有出头希望的我
yuán běn méi yǒu chū tóu xī wàng de wǒ
うだつの上がらない平民出に

终于开始走运了吗?
zhōng yú kāi shǐ zǒu yùn le ma
やっと巡ってきた幸運か

还是万劫不复的陷阱
hái shì wàn jié bú fù de xiàn jǐng
それとも破滅の罠か

こちらのセリフも
兵士が立ち去った後に
1人で呟くセリフです。
あいかわらず自分に酔ってますね。

最初の部分、
「原本」は「もともと」「元来」
という意味の副詞です。
「出头」は「日の目を見る」
「苦境から抜け出す」という意味があります。
「うだつの上がらない」という言葉を
「没有出头」で「日の目を見ることがない」
「苦境から抜け出せない」
というニュアンスで表現しています。

そのあとの「希望的我」を
どう訳すのかがよく分かりません(汗)
「没有」が「出头希望」までにかかって
「日の目を見る望みがない私」
ってなるのかな?
ちょっとよく分かりません。。。

続きのセリフです。
「终于」は「ついに」「とうとう」
という副詞です。
「走运」は「運に恵まれる」という動詞です。
「ついに幸運が巡り始めたか?」となります。

「还是」はいろいろな意味がありますが
ここでは「それとも」という意味で
使われています。
「陷阱」は「罠」「落とし穴」という意味です。

成語は「万劫不复」の部分になります。
「永遠に回復できない」という意味があります。
「劫」は仏教における時間の最長単位であって
それに「万」がつくことで
「極めて長い時間」を表しているようです。

「それとも永遠に回復することができない罠か」となります。
日本語のセリフでは
「破滅の罠」という言い方をしていますが
この「破滅」の部分を「万劫不复」
で表現していることになります。
「永遠に回復できない」ということは
「破滅する」という意味なので
確かに意味としてはイコールですね。

前回の成語の時のセリフに引き続き
クロトワのセリフは何か含みを感じます。
クシャナがいなくなってチャンス到来」
というようなことが言いたいんだと思いますが
それを素直に喜んでいいのかどうか
戸惑う気持ちから「破滅の罠」という言葉が
出たのでしょうか。


ちなみにこの部分の字幕はこうなっています。
字幕の方がシンプルな表現になっています。

这次转到
zhè ci zhuǎn dào

抬不起头的平民转运
tái bu qǐ tóu de píng mín zhuǎn yùn

还是破灭的陷阱?
hái shì pò miè de xiàn jǐng  

「うだつの上がらない」を
「抬不起头」で表現しています。
「抬头」は「頭を上げる」という意味の他に
「台頭する」「勢いを得る」
という意味もあります。
可能補語の「不起」が入り
「抬不起头」で「台頭できない」となります。

「转」は「方向を変える」という意味があり
「转到」は「もたらす」「移る」、
「转运」は「運が向いてくる」という意味に
それぞれなります。

吹き替えで成語で表している
「万劫不复的陷阱」の部分は
字幕では「破灭的陷阱」となっていて
至ってシンプルですね。


「万劫不复」の「万劫」は
「極めて長い時間」を表していますが
「万劫」を使った成語は他にもあります。

万劫不朽 wàn jié bù xiǔ 
 永遠に落ちぶれることがない

千生万劫 qiān shēng wàn jié 
 何世代にもわたる、永遠である

成語を会話に入れ込むのは
なかなか難しいですが・・・
知っておくといつか役に立つかもしれないです。



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