ジブリで中国語を学ぼう!

ジブリ映画の中国語吹き替えを聴いて中国語を勉強しています。

ナウシカに出てくる成語①

中国語には「成語」という
古くから伝わる言葉がります。
日本語で四字熟語やことわざが
日常の会話の中で出てくる事って少ないですが
中国語では会話の中で普通に成語が出てきます。

千と千尋の神隠し」の映画では
セリフの中に10回ほど出てきました。
 ↓ ↓ ↓
千と千尋に出てくる成語

ナウシカ」では
さらに多くの成語が出てきます。
20回近く、セリフの中に登場します。
難しい事を話すセリフがけっこうあるので
なんとなく納得です。


まずは
大ババ様のセリフの中に出てきた成語です。

トルメキア軍が城に攻めてきて
ジルを殺した後に谷の人々の前で
クシャナが演説している場面です。
大ババ様が話をさえぎり
腐海に手を出してはならぬ」と言って
腐海に手を出してはいけない理由を
長々と語ります。

その長いセリフの中の一節です。

王虫毫不停歇的奔跑前进
wáng chóng háo bù tíng xiē de bēn pǎo qián jìn
自らの命が飢餓で果てるまで

一直到精疲力竭衰弱而死
yī zhí dào jīng pí lì jié shuāi ruò ér sǐ
王蟲は走り続けた

成語は「精疲力竭」です。
「精も根も尽き果てる」という意味です。

直訳すると
「精も根も尽き果てて衰弱死するまでずっと
王蟲は止まる事なく前進した」
となります。

1行目の
「毫不」は「少しも〜ない」という副詞
「停歇」は「停止する」という動詞
「奔跑」は「奔走する」「走り回る」
という動詞です。

「精疲力竭」と同じような意味で
「精疲力尽」「筋疲力尽」
という言葉もあります。
このふたつの言葉も成語のようです。


もうひとつの成語はこの後に出てきます。
大ババ様の長いウンチクのあと
クロトワが止めに入って言うセリフです。

住口
zhù kǒu
黙れ!

少在这里妖言惑众
shǎo zài zhè lǐ yāo yán huò zhòng
そのような世迷言(よまいごと)許さんぞ

「妖言惑众」が成語です。
「デマを流して人々を惑わす」という意味です。

「妖言」は「人を惑わす虚言」「嘘」
という意味があります。
「惑」は「人を惑わす」という意味があり
「众」は「多くの人」という意味があります。

そもそも日本語の方の「世迷言」って
どういう意味なんでしょう。
辞書で調べると
「訳の分からないこと」「馬鹿馬鹿しいこと」
「とるに足らない不平不満や愚痴」
となっています。

「世迷言」と「妖言惑众」
同じような気もするし、
ちょっとニュアンス違そうな気もするし、、。
でもこの場面では
どっちの言葉でも違和感ないように思います。

「少在这里妖言惑众」というセリフの
「少」についてですが
「少」は「少ない」という意味の他に
「〜するのをやめろ」「〜はよせ」という
禁止の意味で使うこともあります。

「ここでデマを流して人々を惑わすのはよせ」
というような意味になります。


ナウシカ」の登場人物の中では
大ババ様が一番成語を使いそうな雰囲気ですが
一番成語を口にしているのは
実はクロトワなんです。
ちょっと意外ですよね。
あまり難しいこと言わなそうなイメージです。

まだまだ成語はいっぱい出てくるので
また少しずつ紹介していきたいと思います。


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