ジブリで中国語を学ぼう!

ジブリ映画の中国語吹き替えを聴いて中国語を勉強しています。

「ひょっとすると」を中国語で言うと

 「千と千尋」の中で何回か出てきた言葉で
 不定 shuō bu dìng 
という言葉があります。

「ひょっとすると〜かもしれない」
という意味の副詞です。
「说不定」は他に
「はっきりと言えない」という意味で
動詞として使われることもありますが、
千と千尋」のセリフの中では
いずれも副詞の用法で使われていました。


まずは千尋のお父さんのセリフです。
車で道に迷ったあと、
トンネルを見つけた場面です。

进去看看嘛?
jìn qu kàn kan ma
ちょっと行ってみない?

不定可以穿过去喔
shuō bu dìng kě yǐ chuān guò qu wō
向こうへ抜けられるんだ

「可以」で「〜できる」
「穿过去」で「通り抜けて行く」なので
「ひょっとしたら通り抜けていくことが
できるかもしれない」
という意味の文章になります。
日本語のセリフはどちらかというと
断定してる様にも聞こえますが
中国語では「ひょっとしたら」の感じを出してきました。


次も千尋のお父さんのセリフです。
トンネルを抜けて、
「なんかいい匂いがする」と
クンクンしてる場面です。

不定这里还有摊贩呢,去看看
shuō bu dìng zhè li hái yǒu tān fàn ne   qù kàn kan
案外まだやってるのかもしれないよ、ここ

「摊贩」は「露天商」という意味の言葉です。
「ひょっとしたらここにはまだ
露天商があるのかもしれない」
という意味になります。

日本語のセリフは「まだやってる」とだけで
具体的に「何を」という部分は触れてませんが
流れからして「お店」とか「テーマパーク」のことだと予測できます。
「露天商」という言葉は日本ではあまり
馴染みがない様にも思いますが
中国ではその言葉がしっくりいったのだと思います。

最後の「去看看」は動詞の重ね型で
「行ってちょっと見てみよう」
という意味になります。
この部分も日本語のセリフにはないですが
中国語では付け足されて分かりやすくなっていますね。


次は千尋のセリフです。
銭婆の家に行ってハンコを返した後
「今日はもう遅いからゆっくりして
いきなさい」と銭婆に言われたけど
千尋が「帰りたい」と言い出した場面です。

因为我在这里的时候
yīn wèi wǒ zài zhè li de shí hou
だってこうしてる間に

不定白龙死了
shuō bu dìng bái lóng sǐ le
ハクが死んじゃうかもしれない

我爸爸跟妈妈说不定会被吃掉
wǒ bà ba gēn mā ma shuō bu dìng huì bèi chī diào 
お父さんやお母さんが食べられちゃうかもしれない

このセリフの中に
「说不定」が2回使われています。
ひとつ目は「白龙死了」の前に置かれています。
「ひょっとするとハクが死んじゃったかもしれない」という意味になります。

ふたつ目は主語の「我爸爸跟妈妈」が先にきて
主語の後に「说不定」がきています。
「吃掉」で「食べて無くなる」
という意味なので
受け身の「被」がついて、
「食べられちゃう」となり
「ひょっとしたら私のお父さんとお母さんが
食べられちゃうかもしれない」
という意味の文章になります。

「说不定」は文頭にくることもあれば、
主語の後にくることもあり、
語順はどちらでもOKです。


日本人は(人によると思いますが)
物事を断定するよりも、曖昧に表現する方を
好む傾向にある様に思うので
「说不定」をつかって
「もしかしたら・・」というニュアンスで
何かを伝える方法を知っているととても便利ですね。