ジブリで中国語を学ぼう!

ジブリ映画の中国語吹き替えを聴いて中国語を勉強しています。

「〜死了」で「死ぬほど〜」

中国語でよく見かけるフレーズで
「〜死了」という表現があります。
「死」という字を見ると
ちょっとドキッとしてしまいますが
「死」について語る深刻な場面ではなく
軽いノリで「死」を口にしているので
慣れるまではヒヤヒヤしてました(笑)

日本語でも確かにそういう表現ありますよね。
「死ぬほど嬉しい」とか
「死ぬほどお腹すいた」とか。
そういう感覚で、程度が高いことを表す時に
わりと気軽に使えるフレーズのようです。

使い方としては
「動詞または形容詞」+「死了」という表現になります。


千と千尋」で出てくるセリフを紹介します。

まずはリンのセリフからです。
オクサレ騒動の後、ベランダでの場面です。
肉まんのような物を千尋に渡したあとです。

累死了
lèi sǐ le
フ〜、やれやれ

「累」は「疲れている」という形容詞です。
「死ぬほど疲れた」とか
「ものすごく疲れた」とか
そういうニュアンスになります。

「累死了」はよく聞くフレーズですよね。
「〜死了」の例文の常連です。
ドラマなんかでも仕事上がりにこのセリフを
呟くシーン、よく見ます。

日本語のセリフでは
「フ〜、やれやれ」なんですが
物語の場面的にはリンの「疲れた〜」は
しっくりいきますよね。
逆に「やれやれ」って中国語で
何て言うんだろうって思って調べてみましたが
「哎呀呀 āi yā yā 」という表現があるようです。


次は千尋が大湯で働くことになった場面です。
みんなに紹介された時にみんなに嫌がられて
その時に湯女が言ったセリフです。

可千万,别分发到我们这儿来
kě qiān wàn   bié fēn fā dào wǒ men zhèr lai
私らのとこにはよこさないどくれ

人类的味道臭死了
rén lèi de wèi dào chòu sǐ le
人くさくてかなわんわ

千尋、かわいそうですよね・・
やっぱり人間みたいな邪悪な生き物は
強烈な匂いを発してるんでしょうね。

「味道」は一般的には
「味」という味覚を表す言葉なのですが
「におい」を表すこともあるようです。

「人类的味道」で「人間のにおい」
「臭死了」で「死ぬほどくさい」となります。
日本語では「かなわん」と表現していますね。


次は湯婆婆のセリフです。
千尋が初めて湯婆婆の部屋を訪れた時に
ドアのところから魔法で引っ張られて
湯婆婆の前に投げ出され
「イタイ・・」と痛みに悶絶してる場面です。

吵死了
chǎo sǐ le 
うるさいねぇ

给我安静一点
gěi wǒ ān jìng yī diǎn
静かにしておくれ

「吵」は「騒ぐ」という動詞です。
「動詞」+「死了」のパターンですね。
「死ぬほど騒がしい」という意味から
「うるさい!!」となるわけですね。

今流行の「うっせえわ」の歌、
うちの子たちもずっと歌ってますが
それの中国語版歌詞をネットで見つけました。
題名もサビの部分も
「吵死了」になってましたよ。
いろんなパターンがあるみたいですが。


最後は千尋と銭婆のセリフです。
千尋が銭婆の家に行って、
銭婆のハンコを返した時のやりとりです。

千尋那个奇怪的虫子
   nà ge qí guài de chóng zi
   あのハンコについてた変な虫

  被我不小心踩死了
   bèi wǒ bù xiǎo xīn cǎi sǐ le
   私が踏みつぶしちゃいました

銭婆:踩死了?
   cǎi sǐ le
   踏みつぶした!

踏みつぶしたのは
あの「えんがちょ」の時ですね。
この「死了」ですが、
これは程度を表す「死ぬほど〜」の
「死了」ではありません。

「踩」は「踏む」「踏みつける」
の意味の動詞です。
「死」は動詞や形容詞の後にきて
死を表す補語の役割もあります。

「病死了」で
「病死した」という意味を表しますが
「踩死了」の「死」も
それと同じ用法かと思います。
「踏みつぶして死んじゃった」というような
意味になります。


最後の「死了」は別ですが
それ以外の程度を表す「死了」は、
「死ぬほど」って言うほどのことか?と
なんだか大げさな感じもしますが
「死ぬほど」という訳にこだわらず
「めっちゃ」とか「ちょー」とか
そういう軽いノリで言える言葉だと捉えて
いいんだと思います。

よく使いそうな言葉です。
 困死了 kùn sǐ le マジ眠い
 饿死了 è sǐ le めっちゃお腹すいた
 烦死了 fán sǐ le ちょーイラつく
 吓死了 xià sǐ le マジ驚いた
 笑死了 xiào sǐ le ちょーウケる

なんだか日々の生活ですぐにでも使えそうなフレーズばかりですね。