ジブリで中国語を学ぼう!

ジブリ映画の中国語吹き替えを聴いて中国語を勉強しています。

千と千尋に出てくる成語⑤

千と千尋に出てくる成語の第5弾です。
第1弾〜第4弾についてはこちらです。
  ↓  ↓
千と千尋に出てくる成語
千と千尋に出てくる成語②
千と千尋に出てくる成語③
千と千尋に出てくる成語④

わからない単語があって辞書で調べてみたら「成語」のマークがついていて
初めて成語だったと知る場合が多いですが
辞書には特に「成語」とは書いてないから
成語じゃないと思っていたら
ネットで検索してみたら成語だったって場合があります。

辞書にそもそもその四字熟語が載っていない
場合は仕方ないですが
四字の言葉として辞書には載っているのに
成語だと記載されてない場合ってなんなんだろうなーと、ちょっと疑問に思いました。

「成語」の定義が曖昧だったり?とか
私の使ってる辞書が古いから?とか
ネットの情報が間違っていたり?とか
真相はよく分かりませんが、
とりあえず成語辞典を買おうかな、
という気持ちになっています。

なんでそんなことを言い出したかというと
 好吃懒做  hào chī lǎn zuò
という言葉が千と千尋に出てくるのですが
辞書には「成語」という記載がなかったので・・。
ちょっとした素朴な疑問です。

でもその言葉はちゃんと辞書には載っています。
辞書で「懒」を調べると
「①怠惰だ、ぶしょうだ」と記載されていて
その後に例文として
「好吃〜做/食いしん坊の怠け者」
と記載されています。


この成語が「千と千尋」のセリフで
どのように使われていたか
紹介したいと思います。

湯婆婆のところに千尋が行って
「働かせてください」とお願いする場面です。
「仕事なんかあるもんか」「お断りだね」
とさんざん説教された中の一節です。

我永远也不会雇用
wǒ yǒng yuǎn yě bú huì gù yòng
これ以上ごくつぶしを増やして

你们这群好吃懒做的人类
nǐ men zhè qún hào chī lǎn zuò de rén lèi
どうしろって言うんだい

日本語のセリフと中国語の翻訳は
言ってることは同じようなことかもしれませんがちょっと表現を変えています。

中国語の方を直訳すると
「私はあなたたちのような食いしん坊の怠け者の人間を永遠に雇うつもりはない」
というような意味になります。
二行目が全部まるまる
「雇用」の目的語になっています。

日本語では「ごくつぶし」と表現されています。
「ごくつぶし」
あまり日常で使うことないのですが・・
「ご飯だけは一丁前に食べて、働きもせずに役に立たない人」に対して罵る言葉です。
「食いしん坊の怠け者」と確かに意味は
同じような感じですね。

注意する点は、「好吃懒做」の「好」が
第4声で発音されていることです。
「好」は第3声と第4声の二通りあって
「hǎo」か「hào」かで意味が変わって来ます。

一般的に多く使われているのは
第3声の「hǎo」の方ですね。
「你好nǐ hǎo」とか「很好hěn hǎo」など
形容詞として使われる場合です。
第4声で使われる時は動詞として使われ
「好む」「〜しやすい」という意味を持ちます。

「好吃」は「hǎo chī」と発音すれば
「おいしい」という意味になりますね。
これは「食べる」という動詞の前に
「良い」という意味の「好」を置いて
「食べて味が良い」「食べることに満足」
と言うようなニュアンスから
「おいしい」という意味で使われています。

この「好吃」を「hào chī」と発音すると
「食べることを好む」という意味から
「いやしい」となってしまうようです。

「好吃懒做」の「好吃」は
「おいしい」の方ではなく
「いやしい」の方になります。

これは発音間違えたら大変ですね。
「好吃懒做」の方は
あまり使う機会はなさそうですが
おいしいの意味の「好吃」は
ほぼ毎日発する言葉なので
「おいしいおいしい」
と自分で言ってるつもりが
「いやしいいやしい」にしか聞こえてなかったら絶望的です(笑)

昔中国にいた頃、
私ちゃんと言えてたかな(汗)と
なんだか急に心配になって来ました。
あの頃は四声を軽んじてたので・・